2021 Fiscal Year Research-status Report
How have poisonous arthropods evolved tolerance for predator digestive systems?
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19K06073
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
杉浦 真治 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (70399377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 一夫 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主幹研究員 (30332448)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 被食防衛 / 捕食―被食関係 / 水生甲虫 / 半水生甲虫 / カエル類 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、さまざまな昆虫類において、在来カエル類(トノサマガエル、ツチガエル、ヌマガエル、ニホンアマガエル)および外来カエル(ウシガエル)に対する防衛行動を室内で観察した。ウシガエルについては環境省の許可を経て捕獲・飼育し、実験を行った。 結果、一部の水生甲虫種の成虫において、在来カエル(トノサマガエル)によって捕獲されても、舌に噛み付く、もしくは飲み込まれた後に胃に噛み付くことで、最終的にカエルによって吐き出されて生還する行動を発見した。ただし、外来カエル(ウシガエル)に捕獲された場合は、1種を除き、カエル体内から脱出することはできなかった。これらの甲虫類の大顎を実験的に切除すると、トノサマガエルによって容易に捕食(消化)されたため、大顎による噛み付きが重要な防衛手段であることが実証された。 高熱の防御物質を分泌するミイデラゴミムシについて、カマキリ類3種とトノサマガエルに対する防衛行動を比較し、論文としてとりまとめた。ミイデラゴミムシは天敵からの攻撃を受けると、体内に貯蓄したヒドロキノンと過酸化水素水を腹部末端で化学反応させ、その結果100℃近い高温でキノン類と水蒸気を発射する。トノサマガエルの多くの個体はミイデラゴミムシに舌で触れた瞬間(高熱の防御物質を発射する前)に攻撃をやめるが、カマキリ類は発射前に攻撃を諦める個体はいなかった。つまり、カマキリ類は前脚を用いてミイデラゴミムシを捕獲するものの、高熱の防御物質の噴射によってすべての個体が捕食を拒否した。一方、防御物質を噴射し尽くした個体を与えると、すべてのカマキリはミイデラゴミムシの捕食に成功した。つまり、ミイデラゴミムシはカエル類およびカマキリ類による捕食から逃れることができた。本論文はPeerJ誌で出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
半水生・水生甲虫類の対カエル防衛行動の論文および、外来ウシガエル類が昆虫類に及ぼす影響についての論文を今年度に学術誌に投稿できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
外来種であるウシガエルと在来種であるトノサマガエルに対して、同所的に生息する昆虫類の防衛行動を観察・比較し、ウシガエルによる在来昆虫類への影響を査定し、論文としてとりまとめる。 半水生・水生昆虫類における対カエル防衛を引き続き観察し、結果を論文としてとりまとめて学術誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
年度中に英語論文の投稿が間に合わなかった。次年度に英文校閲費として使用予定である。
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Research Products
(2 results)