2019 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of epigenetic mechanism underlying longevity in honeybee.
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19K06077
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
鎌倉 昌樹 富山県立大学, 工学部, 講師 (60363876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 裕 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60721496)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミツバチ / 寿命 / エピジェネティック / 制御機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミツバチの寿命制御機構を明らかにするため、屋外飼育の女王蜂及び働き蜂において、孵化後6日目の幼虫、羽化直後成虫、羽化後1ヶ月、羽化後6ヶ月の成虫のDNAメチル化(Bisulfite (BS)-seq)解析及びRNA-seq解析を行った。RNA-seq解析後のGO解析の結果、働き蜂に比べ女王蜂では、エネルギー代謝関連遺伝子群の発現抑制やβ酸化関連遺伝子の発現増加が、遺伝子発現変動の主なものであり、免疫関連因子の発現変化などは見られなかった。これらの遺伝子発現変動の中で、低下のものは頭部、胸部、腹部全体で見られ、増加のものは頭部と胸部で見られた。一方、腹部の遺伝子発現変動の増加においては、卵形成や胚発生に関与する遺伝子の発現の増加が主なものであった。脂質代謝(β酸化)に関連する遺伝子群の発現増加は、エネルギー代謝関連遺伝子群の発現低下と相まって、女王蜂が働き蜂に比べエネルギー代謝の効率を高め、効率よくATP生産を行い、無駄にエネルギーを消耗することなく寿命を延長させていることに関連していると考えられた。BS-seq解析は、次世代シークエンサーによる解析及びデータ解析を完了し、現在DNAメチル化の解析結果とRNA-seqの解析結果との比較解析を行っている。今後、DNAメチル化を介して転写制御されている因子についての解析を実施する予定である。また、羽化直後働き蜂、羽化直後女王蜂及び羽化1ヶ月後の女王蜂の頭部と中腸を対象としたChIP-seq解析については、次世代シークエンサーによる解析を完了し、現在データ解析を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ解析において順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ミツバチの寿命制御に関与しているエネルギー代謝関連因子の遺伝子発現変動がどのような分子メカニズムにより引き起こされているかしを明らかにするため、RNA-seq、BS-seq、ChIP-seqの結果をもとに統合的な解析を実施していく予定である。
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Research Products
(5 results)