2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K06082
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Research Institution | Administrative Agency for Osaka City Museums |
Principal Investigator |
松本 吏樹郎 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 主任学芸員 (90321918)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 系統 / 捕食寄生 / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.「クモヒメバチとその姉妹群候補を含むヒラタヒメバチ亜科の各属・種間の解像度の高 い系統関係の解明」2.「クモ利用の起源とその多様化の過程の復元」を目的として研究を進めた。1に関しては、保存状態が悪いサンプルしかないなど、追加が必要な種についてサンプリングを行い、DNAの抽出、バーコード領域での抽出DNAのチェックを行なった。 野外調査においてZabrachypus属を日本で初めて野外で確認し、寄生習性、産卵行動などのデータを得た。本属はヨーロッパから北米にかけて3種が知られる、祖先的性質を多く残したグループであるため、本研究の目的2において重要な知見となる。日本産の種は未記載種であることが判明しているので、寄生習性のデータとともに現在論文を作成している。その他クモ研究者、一般の自然愛好家の方との連絡により、Brachyzapus, Zatypotaなどいくつかの属のクモヒメバチで新たな生態的知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
野外観察によって重要なデータが得られ、サンプルの補完もできたが、解析に関しては他事業(所属館の特別展の主担当)が急遽決まり、エフォートのかなりの部分をそちらに割り振らざるをえない状況であったため遅れている。また年度後半は新型コロナウイルスの広がりの影響で、自宅勤務を余儀なくされ、本研究課題に取り組む時間と環境が限られてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は既存の、また昨年度入手することのできたサンプルを用いて当初予定していた解析を進める。海外でのサンプリング調査を予定していたが、早い時期での海外渡航は困難であるため、状況に注視して、来年度への延期も視野に入れて実施時期を検討する。
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Causes of Carryover |
研究の実施に遅れが生じたため、使途は変更なく次年度使用する。すでに収蔵しているサンプルから予備解析をまず行い、必要に応じて追加サンプルを加えた本解析を可能なかぎり年度内に行う。
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