2023 Fiscal Year Research-status Report
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19K06082
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Research Institution | Administrative Agency for Osaka City Museums |
Principal Investigator |
松本 吏樹郎 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 主任学芸員 (90321918)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 系統 / 捕食寄生 / 相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
「クモヒメバチとその姉妹群候補を含むヒラタヒメバチ亜科の各属・種間の解像度の高い系統関係の解明」と「クモ利用の起源とその多様化の過程の復元」を目的として研究を進めた。補足のサンプリングを行い、DNAの抽出、バーコード領域での抽出DNAのチェックを行なった。コロナ感染症の拡大によって延期してきた南米での調査を行い、南米特産の属・種に関して寄生状況や産卵行動を観察・記録し、解析用のサンプルも入手することができた。特に社会性のヒメグモを利用するZatypota属の産卵行動を詳しく観察することができた。寄主クモの集団での捕食行動に非常にうまく適応した産卵行動を持つことが分かった。種数が多く、多様な寄主を利用する点で寄主利用の進化を考察するうえで重要なZatypota属について、野外調査を行い、寄主範囲や生息微環境、利用時期など、寄主利用法や生活史についてのデータを得た。以上の観察とサンプルを用いて系統関係の解析をすすめ、クモヒメバチの多様な寄主利用と成立過程について考察する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外のサンプルを含めてサンプルに関しては十分に準備が揃ったが、全体的な解析までには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに存在が明らかになった種、海外産の種を含めて解析の準備が整ったので、解析を進める。特に寄主転換を考察する上で重要な寄主および寄生習性のデータが揃ったZatypota属に注目して重点的に解析を行う。
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Causes of Carryover |
昨年度に続き、コロナ禍のなかで、計画の遅れがあり、サンプルの入手は完了したものの、全体的な解析まで完了しなかった。今年度は実験を重点的に行い、当該助成金の使用を完了する。
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Research Products
(2 results)