2021 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of coral-killing sponge Terpios
Project/Area Number |
19K06091
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山城 秀之 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (80341676)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サンゴ / テルピオス海綿 / 成長 / 幼生放出パタン / 接触反応 / 共生藻 |
Outline of Annual Research Achievements |
サンゴを覆い殺すテルピオス海綿Terpios hoshinotaの分布状況、形態、生殖時期、および海綿を産卵基質として利用する貝の存在を明らかにした。新たな脅威となりつつあるカリヌラ海綿Chalinula nematiferaについても研究を行った。 沖縄島北部国頭村佐手では、広範囲に海綿に覆われるのみならず、波当たりの強い外側のテーブル状サンゴにも被害が確認できた。水深10m以上での棲息も複数箇所で確認された(大浦湾、水納島、今帰仁)。幼生放出時期や骨片の長さが場所によって異なることがわかったが、環境要因の特定には至っていない。本種の形態を特徴づける共生シアノバクテリア、骨片、および環境中から取り込んだ砂粒の密度を正確に求め、それぞれのサイズも測定した。砂粒は直径が約30μmであり、選択的に確保していることがわかった。シアノバクテリアの分裂指数は成長端とそれ以外で差異はなかった。 殻長約3mmの巻貝がテルピオス海綿上で確認され、分子同定の結果Joculator属であった。海綿組織を産卵床として利用していること、交尾個体の確認、また沖縄島の複数の場所から確認されたことから、海綿と緊密な関係にあることがわかった。捕食者の可能性があるが、確定には至っていない。 サンゴを覆うカリヌラ海綿について、近年、海外から報告があり、調査対象種に加えた。成長や生殖については未解明だが、細胞の凝集能力があること、色素成分の特徴、組織の柔軟性を支える繊維状組織について形態学的に調べた。当初予測されていた繊維状組織は真菌ではなく多糖類であった。一方、その周辺に酵母状真菌が存在することを明らかにした。ただし、海綿との相互作用については不明のままである。2種のサンゴ被覆性海綿の脅威は増えることが懸念されており、その動態の基礎的情報を蓄積することができ、今後のサンゴ礁保全に貢献することが期待される。
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[Journal Article] Specific detection of coral-associated Ruegeria, a potential probiotic bacterium, in corals and subtropical seawater.2021
Author(s)
Kitamura R, Miura N, Ito M, Takagi T, Yamashiro H, Nishikawa Y, Nishimura Y, Kobayashi K, Kataoka M, Miura N.
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Journal Title
Marine Biotechnology
Volume: 23
Pages: 576-589
DOI
Peer Reviewed
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