2021 Fiscal Year Annual Research Report
Determine the spawning mechanism and development of equipment for spawning of Bitterling, Tanakia tanago.
Project/Area Number |
19K06093
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
秋山 信彦 東海大学, 海洋学部, 教授 (20256192)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミヤコタナゴ / 人工産卵基質 / 産卵行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミヤコタナゴの人工産卵基質の採卵効率を向上させ,受精卵を得るために人工産卵基質の構造と適切な出水流速を検討した.出水管の大きさが産卵成功率に及ぼす影響を調べるために,touching時のカワシンジュガイ出水管の開口幅,長径を調べたところ,成功時と失敗時の出水管開口幅と長径に有意差は見られなかった.次に,出水構造が雄の放精行動に与える影響を調べるために,人工産卵基質の出水管端部から出水部までの距離を変えたときの産卵後放精を比較したところ,出水部が出水管端部にあり,産卵排出液が入水管側に吸い込まれる産卵基質では雌の産卵に対して雄の産卵後放精が見られず,産卵排出液が産卵直後に排出される産卵基質では産卵後放精が見られた.人工産卵基質での繁殖行動の誘導に適した出水流速を調べるために,人工産卵基質の出水部から異なる流速で出水したときの繁殖行動を比較したところ,70~142 mm/secの範囲で多かった.カワシンジュガイの鰓葉腔と鰓上腔を模した構造をもつ人工産卵基質の本種の繁殖行動への影響を調べた.その結果,鰓葉腔と鰓上腔を模した構造を持つ人工産卵基質では,カワシンジュガイと比較すると少ないが,鰓葉腔と鰓上腔を模した構造が無い人工産卵基質と比べると繁殖行動数,産卵数ともに多かった. 以上の諸結果より,ミヤコタナゴの繁殖に用いる人工産卵基質としては,出水部から出水管端部までの距離が雌の産卵管よりも長く,鰓葉腔と鰓上腔を模した構造をつくり,出水流速を70~142 mm/secに設定することで,より多くの繁殖行動を誘導し,採卵数を向上させられることが明らかになった.
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