2020 Fiscal Year Research-status Report
Establishing an endangered microbat conservation management plan based on comprehensive surveys in a candidate World Natural Heritage site
| Project/Area Number |
19K06094
|
|---|
| Research Institution | Tokai University |
|---|
Principal Investigator |
河合 久仁子 東海大学, 生物学部, 教授 (60451415)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Vincenot C.E. 京都大学, 情報学研究科, 助教 (80751908)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 小コウモリ類 / 分布 / ユネスコ世界自然遺産候補地 / 超音波自動録音装置 / 音響ルアー |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、沖縄島北部ならびに西表島に着目し、超音波自動録音装置と捕獲に音響ルアーを組み合わせる独自の技術を用い、小コウモリ類の分布状況を把握し、その分布に影響を与える環境要因と相対的な生息密度を明らかにし明確な保全モデルの確立を目的としている。
これまで沖縄島北部国頭村の森林地帯と、西表島での調査を行なった。このうち、西表島においては、2019年2月ならびに11月に自動録音装置SMBat4（Wildlife acoustics社）用いて44地点（2月：12地点、11月：32地点）で録音調査を行なった。のべ録音期間は113日間、総録音ファイル数は100245（2月5216、11月95029）となった。音声解析ソフトであるKaleidoscope Pro（Wildlife acoustics社）を用いてクラスター解析を行ったところ、13139ファイル（2月819、11月12320）から音声が探知された。2020年度は調査に行くことができなかったため、これらの音声の解析をより詳細に行なった。その結果、コウモリ類3種の音声が確認されたファイル数は、リュウキュウユビナガコウモリが最も多く、ヤエヤマコキクガシラコウモリが次に多かった。カグラコウモリは3種の中では最も少なく、また録音された場所も他の2種とは異なり、限られていた。11月に行った調査において、西表縦断路の中間地点付近でリュウキュウユビナガコウモリの音声のみが確認されたファイルが３日晩で4400ファイルあり、１調査地点で確認された1種のファイル数では最も多くなった。このように、島全体で音声が確認される種と、限られた地域でのみ確認される種がある事が明らかとなった。さらに詳細に音声を分析した結果、これまで西表島から知られている3種以外の音声とおもわれるものが含まれている可能性があることが明らかとなった。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定であれば、2020年3月または5月に季節を変えて、もう一度西表島にて録音調査を行う予定であったが、新型コロナウィルス感染症の拡大の影響から調査を行うことができずにいる。このため、最終年度であるが、できれば目的を絞って9月までに一度調査を行いたいと考えている。
|
| Strategy for Future Research Activity |
これまで西表島から知られている3種以外の音声とおもわれる音声が確認された地点に絞り、追加の録音調査を行いたいと考えている。これによって、2019年度に録音された音声のより詳細な解析につなげたい。しかし、現在は離島である西表島において、調査を行うことは新型コロナウィルス感染症の拡大の状況から自粛しており、今後の見通しが立たない状況にある。
|
| Causes of Carryover |
予定していた調査等が行えなかったことから、当初予定していなかった最終年度の調査費等に当てるため次年度持ち越しとして余剰金が発生した。これらについては、調査をこなうことで使用予定である。
|
Research Products
(5 results)
