2023 Fiscal Year Annual Research Report
Solar panel installations considering forest conservation in rural areas
Project/Area Number |
19K06109
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
板谷 明美 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (70447861)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 再生可能エネルギー / 里山風景 / メガソーラーパネル / 災害 / GIS |
Outline of Annual Research Achievements |
2012年の再生可能エネルギーの固定価格買取制度のスタートをきっかけに,わが国では太陽光発電施設,特に大型の産業用地上設置型太陽光パネル(いわゆるメガソーラーパネル)の急激な建設ラッシュが起きている。一方,里山風景の中に突如として設置されたメガソーラーパネルなどの大規模太陽光パネルは景観を大きく損なう。急傾斜地の森林を大面積皆伐して設置すれば,近年のゲリラ豪雨などと相まって斜面崩壊をまねいて甚大な災害を引き起こす可能性がある。そこで,本研究では,中山間地域の林地保全を目指した太陽光パネルの配置の検討を目的に研究を行った。 三重県では,2015~2016年に2521箇所に大規模太陽光パネル(10.5km2)が設置され,さらに2016~2021年には5121箇所に大規模太陽光パネル(13.9km2)が設置されたことが明らかとなった。太陽光パネルの設置場所と固定価格買取制度導入前の1994~1998年の土地被覆・利用を重ね合わせたところ,2015~2016年(2.6km2,設置全体の25%)と2016~2021年(4.2km2,設置全体の30%)の両期間で多くの太陽光パネルが森林に設置されていることが明らかとなった。太陽光パネルの設置場所は地滑り危険地域と重なっているものもあり,2015~2016年には0.39km2,2016~2021年には0.96km2の太陽光パネルが地滑り危険地域と重なった。太陽光パネル設置に有効な場所を検出し,設置された太陽光パネルと重ね合わせたところ,30~40%が優先順位の低い場所に設置されていた。研究成果を海外の研究者とも共有したところ,東アジアの国々においても,森林伐採による太陽光パネルの設置が同じように問題となっていることが明らかとなった。
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