2023 Fiscal Year Research-status Report
棚田地帯での圃場整備に際して実施可能な畦畔草原保全手法の開発および標準化
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19K06112
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
澤田 佳宏 兵庫県立大学, 緑環境景観マネジメント研究科, 准教授 (40435897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 俊和 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (60589547)
藤原 道郎 兵庫県立大学, 緑環境景観マネジメント研究科, 教授 (80250158)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 半自然草原 / 草原生植物 / 保全 / 圃場整備 / 畦畔草原 / 除草剤 / 表土移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、畦畔草原の生物多様性が損なわれており、その原因の一つとして管理放棄が挙げられている。淡路島の中山間地域では人口減少や高齢化のために労働力が不足しており、管理労力を軽減するために、従来の草刈り管理をやめ、除草剤で草原管理を行う畦畔が増えている。そこで今年度の調査では、除草剤で管理された畦畔草原において、群落の構造や種組成にどのような変化が生じているのかを調べた。 調査地は淡路島北部のK地区とI地区とした。いずれも棚田が広がる中山間地域で、高齢化等に伴って放棄農地が増加している。また、いずれの地区にも、数年~10年にわたって除草剤が散布された畦畔がある。2023年11月、これらの地域の除草剤で管理された畦畔(除草剤区)に1m×1mのコドラートを5点ずつ、計10点設置して植生調査を行った。比較のため、草刈りで管理されている畦畔(草刈り区)にもコドラートを5点ずつ、計10点設置して同様の調査を行った。除草剤区、草刈り区ともに、圃場整備は行われていない。除草剤区と草刈り区は、K地区では約50~100m、I地区では約10~30m離れている。K地区ではグリホサートが用いられていたことを農家への聞き取りで確認している。 草刈り区では、コドラートあたりの種数は約20種で、チガヤ・ネザサが優占し、ツリガネニンジンやアキノタムラソウなどの草原生植物を含んでいた。こうした組成は、これまでに報告されてきた畦畔草原と同様であった。一方、除草剤区では、コドラートあたりの種数は草刈り区にくらべて少なく約10種で、ナギナタガヤと思われるイネ科やスズメノカタビラなどの一年草が特徴的に含まれた。 除草剤による管理では単位面積あたりの種数の減少や、多年草主体から一年草主体への種組成の変化が生じることがわかった。除草剤を用いた管理では、生物多様性の豊かな畦畔草原を維持することは困難と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究メンバーの多忙(組織運営・教育・社会貢献エフォートの増大)により研究エフォートが不足していたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長、調査に関わるメンバーの増員によって調査を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れているために次年度使用額が生じている。 主に研究旅費、学会発表に係る役務費、土壌分析費で使用する予定である。
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