2021 Fiscal Year Annual Research Report
落葉期/着葉期UAV空撮データを用いた広葉樹林の樹冠抽出と樹種分類
Project/Area Number |
19K06143
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
村上 拓彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20332843)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 樹冠セグメンテーション / Valley-following法 / UAV / SfM / lidR / 樹種分類 / 多時期合成画像 / ブナ |
Outline of Annual Research Achievements |
複数時期のUAV 空撮画像を用い樹種分類:UAVの空撮実施の自由度と空間分解能の高さを活かして,複数時期のUAV 空撮画像を用い樹種分類に取り組んだ。調査地は,新潟県村上市大字大場沢に所在する坊山である。2020~2021年に撮影された17時点の観測データを用いた。Rデータ(可視赤色域)ならびにGデータ(可視緑色域)を用いた多時期合成画像を作成した。HSI変換を施し,Hデータ(色相)による合成画像も作成した。3 つの多時期合成画像での判定効率表から,Kappa 係数はRで0.556,Gで0.509,Hで0.409となり,高い分類精度は得られなかった。3種の中ではRの多時期合成画像での樹種分類に可能性があると考えられた。 UAV 空撮データを用いたブナ林の樹冠セグメンテーション:ブナ林を対象に,UAV 空撮データを用いた樹冠セグメンテーションを試みた。対象地は新潟県十日町市浦田地区に所在するブナ林である。Valley-following 法とlidRパッケージを採用した。Valley-following 法による結果では,真値樹冠内に含まれる重心の数が1 つであったのは64 個体中41 個体であり,検出率は64.1%であった。比較的面積の大きい個体には複数の重心が含まれ,小さい個体には重心が含まれない傾向がみられた。セグメンテーションが成功しているとした樹冠であっても,真値樹冠面積に近い値をとっていない個体も見られた。lidRパッケージによる結果では,ラスターであるCanopy Height Modelから樹頂点を検出するよりも点群から樹頂点を検出した組み合わせの方がセグメントされた樹冠の数は多かった。つまり点群ベースの方が樹頂点として検出された局所最大値が多かった。全体として検出率は28.1~46.9%,Omission Error (OE) は20.3 ~ 40.6% ,Commission Error (CE)は27.1~49.5%だった。セグメントされた樹冠の数が多くなると,真値樹冠と一致する数も多くなったが,CE も大きくなった。一方でOE は小さくなった。
|