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2020 Fiscal Year Research-status Report

冬季カエデ属樹種の糖利用特性と樹液流出特性の解明

Research Project

Project/Area Number 19K06146
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

岩永 史子  鳥取大学, 農学部, 講師 (50548683)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 芳賀 弘和  鳥取大学, 農学部, 准教授 (90432161)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywordsカエデ属 / 樹液流出 / 気温変動
Outline of Annual Research Achievements

カエデ属樹木の初春にある樹液流出には気温変動が制御要因になると考えられている。しかし樹液流出の期間や量は種や個体、採取年によって大きく変動する。そこでこれら複数の要因のうち特に、樹種、個体、気温の三つの要因の観点から樹液流出の年変動を検討した。
2017年~2020年において、1月上旬~3月下旬にかけて鳥取大学農学部付属フィールドサイエンスセンター教育研究林蒜山の森に自生するイタヤカエデ・ウリハダカエデ(各6個体)を対象に樹液流出量を調査した。高さ地上1.3mの樹幹を直径1.5cm、深さ5cmに穿孔し、樹液採集量を計測した。樹液流出の時間的変動を計測するため、樹幹の穴に挿入したホースと採水用タンクの間に雨量計を設置し、パルスロガーを用いて時間ごとの転倒回数を記録した。2~3日間隔で採水重量を測定し、各採水期間で雨量計の転倒回数あたりの樹液重量を算出し、転倒回数と乗じて時間当たりの流出量とした。個体サイズによる流出量の変動を勘案し、流出量を胸高断面積で除し、胸高断面積1m2あたりの流出量とした。得られた流出量の時系列データから流況曲線を作成するとともに流出イベントの流出パターンの分類を行った。樹液採集期間中の3時間平均気温から0℃未満の気温を積算した有効積算温度を求め、3時間平均気温から流出開始時の気温を算出した。
樹種ごとの流出特性の比較から、イタヤカエデよりウリハダカエデでより多くの樹液流出が起こり、且つ、流出持続時間が長いことが示された。流出に関わる気温条件については、イタヤカエデでは、2017-2018年と2019-2020年の間に差が認められ、特に2020年は他年に比べて流出時の気温が高い傾向が示された。一方、樹液流出開始前の有効積算温度において、年による明らかな差は認められなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

課題1および課題3について、当初の予定通り、複数種の野外に生育するカエデ種の樹液流出パターンの解析を進めている。課題2について、野外生育個体および圃場ポット苗を用いた木部内糖の代謝と転流については、分析試料の採取を終え、分析を進めている。昨年はコロナウイルス感染対策のために分析を進めることができなかった。今後はこれまでの検討条件をもとに試料の解析が進むと予想している。

Strategy for Future Research Activity

計画書に沿った進行を行っているが、2020年3月中ごろからコロナウイルス感染症対策の外出自粛のため、夏季の圃場実験は中止した。本年の野外観測の予定は感染症対策を優先しながら規模を縮小することも検討しつつ、調査を継続する予定である。また、上記の圃場実験での計測・分析を通じて糖代謝・転流の種特性把握を進めていく。

Causes of Carryover

圃場実験での試料分析が次年度へ繰り延べられたため、これに関わる消耗品費なども次年度へ繰り越した。

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Published: 2021-12-27  

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