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2021 Fiscal Year Research-status Report

次世代シーケンサー導入による植物相調査の迅速化~ベトナム中部高原地帯を事例として

Research Project

Project/Area Number 19K06149
Research InstitutionTokyo Gakugei University

Principal Investigator

小栗 恵美子  東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (10608954)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田金 秀一郎  鹿児島大学, 総合研究博物館, 特任助教 (10616080)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords植物多様性 / 植物分類 / 種同定 / DNAバーコーディング / 分子系統
Outline of Annual Research Achievements

2021年度は、ベトナムザライ省Kon Chu Rang自然保護区およびKon Ka Kinh国立公園での野外調査を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大により海外渡航が制限され、2020年度に続き野外調査を実施することができなかった。
2021年度は、2019年度に調査対象地域で採集した維管束植物標本の中で特にサンプル数の多い科:アカネ科、クスノキ科、ハイキノ科を中心にDNA抽出および、葉緑体rbcL、matKの塩基配列の解読を行った。
Symplocos属(ハイノキ科)に関しては、Kon Chu Rang自然保護区で採集されたサンプルが新種の可能性があることが判明した。そこで、東南アジアで採集された本属植物のサンプルを含めて、先行研究のSymplocos属内の分子系統解析で用いた領域(trnH-psbA、trnL intron、trnL-F)の塩基配列を取得し、分子系統樹を作成した。その結果、Kon Chu Rang自然保護区で採集されたサンプルは低いブートストラップ値であるが単系統性を示した。現在は、近縁種との形態比較を行い、新種記載論文の執筆を行っている。
Tarenna属(アカネ科)に関しては、Kon Chu Rang自然保護区およびKon Ka Kinh国立公園で採集された3サンプルを含むアジア産Tarenna属植物54サンプルについて、葉緑体matK、rps16、trnL-Fおよび核ITSの塩基配列にもとづいた分子系統解析を行った。その結果、2つの公園で採集された種は系統が大きく異なる2つのグループを形成し、1つのグループは小笠原諸島固有種シマギョクシンンカや琉球列島および台湾に分布するギョクシンカに系統が近いことが示された。アジア産Tarenna属の分子系統解析に関する研究は、日本植物学会第85回大会のシンポジウムで発表を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度に続き2021年度も新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ベトナムでの野外調査を実施することができなかった。
初年度にベトナムで採集したサンプルについては、葉緑体rbcLおよびmatKの塩基配列の解析は進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

2022年度は、ベトナムザライ省Kon Chu Rang自然保護区およびKon Ka Kinh国立公園での野外調査を実施する予定である。国内外の新型コロナウイルス感染の影響を見ながら実施することになるが、2020年度も2021年度も現地調査をすることができなかったので、海外渡航が可能になった場合は、できる限り異なるシーズンでの野外調査を2回、行う予定である。2022年度も海外渡航が不可能な場合は、ベトナムの共同研究者から調査対象地域に自生する植物の標本と遺伝子解析用の葉サンプルの提供を受ける予定である。
2019年度に採集した維管束植物標本の同定作業を行う。そして、近隣地域の自然公園の植物相と比較を行い、Kon Chu Rang自然保護区およびKon Ka Kinh国立公園の植物相を把握する。また、すべての植物サンプルについて、前年度に引き続き葉緑体rbcLとmatKの塩基配列の解読を行う。

Causes of Carryover

2021年度はベトナムへ野外調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、海外渡航が不可能となった。2022年度にベトナムでの野外調査と得られた植物標本の形態および遺伝解析を行うために経費を繰り越し、2022年度にこれらの研究を行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] ベトナム生態学生物資源研究所(ベトナム)

    • Country Name
      VIET NAM
    • Counterpart Institution
      ベトナム生態学生物資源研究所
  • [Presentation] 海洋島に自生する固有種の地理的起源と性表現の進化2021

    • Author(s)
      小栗 恵美子
    • Organizer
      日本植物分類学会第85回大会(八王子)
    • Invited

URL: 

Published: 2022-12-28  

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