2022 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シーケンサー導入による植物相調査の迅速化~ベトナム中部高原地帯を事例として
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19K06149
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
小栗 恵美子 東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (10608954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田金 秀一郎 鹿児島大学, 総合研究博物館, 特任助教 (10616080)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 植物多様性 / 植物分類 / 種同定 / DNAバーコーディング / 分子系統 / ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、本研究初年度の2019年8月以来、ようやく2度目の野外調査を2022年12月に行うことができた。今回の調査は、研究分担者と連携研究員5名(日本からの研究者3名と現地の研究者2名)で、ベトナム中部高原地帯ザライ省のKon Chu Rang自然保護区およびKon Ka Kinh国立公園で、前回より標高が高い場所(Kon Chu Rang自然保護区: 標高1,030 m; Kon Ka King自然保護区: 1,053 m)で、100 m x 5 mのベルトトランセクト法による網羅的な維管束植物相調査を行った。また、両自然保護区の植物相をより網羅的に把握するために、ベルトトランセクト調査区外に生育する植物についても採集を行った。前回の調査は標高900 m付近で採集を行ったため、今回は、標高950 m~1,200 mくらいの場所で実施した。採集したすべての維管束植物について、生態写真の撮影と証拠標本および証拠標本の一部から遺伝子解析用試料を収集した。 ベルトトランセクトの結果、Kon Chu Rang自然保護区では224種、Kon Ka Kinh国立公園では210種の維管束植物種の出現が確認された。また、ベルトトランセクト調査区外から採集した維管束植物は、Kon Chu Rang自然保護区では298点、Kon Ka Kinh国立公園では282点だった。採集した植物標本と遺伝子解析用試料は2023年度中にベトナムから発送される予定である。標本到着後、すべての標本について形態観察および葉緑体rbcLおよびmatKの塩基配列を決定する。 2019年の野外調査で採集したシダ植物Leptochilus属については、新種記載 (Fujiwara et al. 2023) と2022年12月の調査で生育状況の確認を行った。
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Research Products
(3 results)