2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on biodeterioration and long-term durability of logs in reclaimed land
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19K06170
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| Research Institution | Kochi University |
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Principal Investigator |
原 忠 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (80407874)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀澤 栄 高知工科大学, 環境理工学群, 教授 (20368856)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 埋立地盤 / 丸太 / 耐久性 / 生物劣化 / 現地調査 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き，基礎杭や河川構造物として長期間地中に埋設された丸太に関する基礎的実験を行った。さらに，液状化対策として埋設された丸太を対象に，小地震の観測記録から地盤の改良効果を評価した。得られた主要な知見は下記のとおりである。
（１）回収丸太の健全性と強度評価： ピロディン試験と縦圧縮、縦振動試験により、回収丸太の健全性を評価した。その結果、丸太の形状変化や劣化は生じず長期間健全性を保持すること、ヤング係数は地中の土質によらずほぼ一定値を示すこと等が明らかになった。
（２）貫入試験結果に基づく丸太補強効果の解明： 過年度実施した簡易動的コーン貫入試験結果を丸太からの距離をパラメータとして整理し，丸太打設後の長期間の地盤改良効果を異なる地盤材料に対して体系的に整理した。その結果，丸太近傍の貫入抵抗値は丸太に近接するほど大きな値を示し，未打設の地盤に比べ4倍の大きな値を示すことが明らかにされた。
（３）回収丸太の微生物劣化に関する評価： 過年度回収した丸太周辺の微生物と木材の健全度との関係を評価するため微生物群のDNAを抽出し，真菌類およびバクテリア類を標的としてPCRによる検出・同定した。その結果，水上部の材から白色腐朽菌Xeromphalina sp.が検出されたが，水中のような環境条件では木材中に菌糸を伸ばすものの，約60年間経過した状態であっても腐朽には至らないと推察された。
（４）現地観測に基づいた丸太の地盤環境と改良効果： 研究対象地と地盤性状の類似する高知県高知市仁井田地区埋立地盤ないに約7年前に埋設された丸太に対して，現地に設置した地震計と間隙水圧の観測値から丸太打設後の地下水位の変動と改良効果の継続性を評価した。小地震に対する観測結果から，丸太打設エリアの過剰間隙水圧の上昇は小さく，計測震度が3程度であっても液状化抵抗が大きくなることが示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの感染予防の観点から，当初予定していた丸太の圧縮試験や地盤に係わる現地調査は年度を通じて満足に行えず，データの取得に苦慮した。一方，過年度採取した材料に対する微生物的な分析と，当初計画になかった類似の地盤内に埋設された地震計と間隙水圧計のデータ整理を試みた結果，土の物理的性質や地下水位，貫入試験結果に戻づいた強度特性などの地盤工学的観点と，丸太の微生物劣化に基づいた評価と経過年数などの木材工学的観点から，丸太の地盤改良に用いる有効性を分野横断的に整理することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究最終年度であり，結果の取りまとめと評価を重点に取り組む。一連の分析を通じて得られた結果を整理しながら，「木材の長期耐久性の評価と設計・施工上の留意点のマニュアル化」を目標に掲げ，現在までに得られた地盤，木材両面での評価結果を地盤の物理特性，地下水位などとの関係から体系化し，埋立地盤に埋設された木材の生物劣化の条件と長期耐久性を評価するための設計・施工上の留意点取りまとめる。
一連の結果は，高知市内で実施予定の「木材の土木利用に関するシンポジウム」で公表し，土木資材として木材を利用する機会に乏しい技術者・行政担当者が理解できる技術資料の提供と技術のさらなる普及に努める。
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| Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染対策のため現地調査や室内試験が大幅に制限され，旅費や現地調査等で用いる経費が執行できず，国際会議への参加の見合わせにより関連する旅費や論文登録料を留保した。次年度は関連する消耗品などの購入や，シンポジウム開催経費などを予定しており，繰り越した直接経費を有効に活用する予定である。
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