2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of an early detection method by the environmental DNA of the alien diatom Cymbella janischii in Japan
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19K06187
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鵜木 陽子 (加藤陽子) 九州大学, 工学研究院, 学術研究員 (10380560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 暁 九州大学, 農学研究院, 助教 (00399817)
真山 茂樹 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (40199914)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 特許 / 外来珪藻 / 環境DNA / 特異的検出系 / 河川水由来DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度までの研究で、設計した検出系(P1, P2, P3)は付着珪藻由来のDNAから本種を偽陽性なく特異的に検出でき、その感度は顕微鏡の結果と正に相関するだけでなく、すぐれていることが確認できている。 本年度(2022年度)では、検出系のうち増幅効率がよく、配列情報が非公開であったP2のリバース側プライマーを起点に特許を出願するとともに(特願 2022-158624)、河川水からも同様に検出可能であるのかを確認した。 河川水の解析では、環境DNAのマニュアルで標準化されているフィルターカートリッジのステリベクスを用い、魚類と同じ抽出方法で実施した。その結果、河川水からも同様に検出可能であることが確認されたが、検出感度は付着珪藻よりも劣り、同じ場所の顕微鏡観察の結果とは有意な相関が得られなかった。 相関の問題はあるが、魚類と同じ方法で河川水から検出できたことから、1) 魚類と同じサンプルを共有できること、2) 1)により同一サンプルから魚類を含めた総合的な生物・環境評価が可能になるなどのメリットが今後期待される。 一方、結果が相関しない原因としては、河川水は上流から流れてくるために採水現場よりも上流の状況を反映しているためだと推察されるが、これについては上流の状況を把握した詳細な解析で今後確認する必要がある。また、P3では一部のサンプルで検出できず、偽陽性を示すものもあったことから、拮抗する類似配列の影響などが考えられた。P3は内部のSNPが一つしかないこともあり、今後は検出系から外すことにした。 成果発表では、学会発表を1件、プレスリリースを1件行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設計した一部の検出系について特許を出願できた。 河川水のDNAからも検出可能であることを確認でき、また、河川水では新たな課題も見えてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
河川水の検出についてはさらに解析をすすめ、実用化に向けて検討を進める。 検出系の論文を投稿し、技術の普及をはかる。
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Causes of Carryover |
検出系の論文作成が2022年度中に完結しなかったため、校閲料支払いのために残額を繰り越した
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Research Products
(4 results)