2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of impacts of climate changes on spatio-temporal distributions of marine animals using machine learning approaches
Project/Area Number |
19K06216
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
岡村 寛 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 中央水産研究所, グループ長 (40371942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 寛 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 北海道区水産研究所, 主任研究員 (30531107)
森田 晶子 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 北海道区水産研究所, 主任研究員 (40443387)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 時空間分布解析 / 海洋環境と密度変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ランダム効果によって時空間モデル分析を行うモデルvector autoregressive spatio-temporal (VAST) modelを利用して,我が国の重要水産資源であるホッケやゴマサバなどの時空間分布解析を行った.ホッケの調査データに対して,VASTモデルによる0歳魚および成魚の分布密度の時空間プロットを作成した結果,ホッケ道北系群の0歳魚は主産卵場の利尻島を含む日本海側北部を中心に分布していること,および分布密度が顕著に変化していたことが示された.また,漁業データを利用したホッケの時空間分析も行い,漁業データと調査データの結果はよく似ていることが分かった.漁業データを使った密度情報を資源評価に取り入れたところ,資源評価の精度が向上することが確認された.ゴマサバ太平洋系群の産卵量分布をVASTでモデル化し,マサバ産卵量と対応させることにより,種の判別誤差を考慮した密度の時空間変化を明らかにした.従来,マサバとゴマサバの産卵量の判別の精度に対して問題があり,それが故に,資源評価にバイアスがあることが疑われていたが,VASTによる指標値は,従来の指標値より優れており,資源評価のバイアスの軽減につながることが確認された.東京湾の主要な魚種の単位努力量あたり漁獲量を分析し,海洋環境と密度分布の変化をBoostingという機械学習手法で予測するモデルを構築した結果,一般化線形モデルのような従来法よりも良い精度で予測できることが分かった.機械学習を用いて,伊勢・三河湾のカタクチイワシ漁獲量の時空間的分布の推定を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホッケ道北系群など,当初想定していた魚種の時空間分布の解析を行うことができ,また東京湾の複数魚種のデータに機械学習を組み合わせて解析することにより,海洋環境から密度を予測する際の精度が高まることが確認できた.ゴマサバについては,論文化を行い,現在学術雑誌に投稿中である.
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Strategy for Future Research Activity |
ホッケ道北系群については,海洋環境や漁獲強度とVAST modelから得られる予測密度の関係を調べ,海洋環境や漁獲強度の変化がホッケ密度変化に与えた影響を定量化する.密度変化の予測値を用いて,資源量やそれに基づく再生産関係・管理基準値がどのように変化するかを検討する.東京湾の魚種の分析では,引き続きBoostingによる予測モデルの改良を進め,海洋環境が東京湾の種の変化のどのような部分に特に大きな影響を与えうるかを調査する.
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Causes of Carryover |
年度末に打ち合わせ会議や成果の学会発表を予定していたが,コロナウィルスの蔓延により,すべて中止せざるを得なかった.今年度には打ち合わせ会議を開催し,学会発表や論文発表時の経費(オープンアクセス費用を含む)として使用する.
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