2020 Fiscal Year Research-status Report
アオコ由来マイクロシスチンLRの新奇な上皮間葉転換誘導能の生理的意味の解明
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19K06222
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小松 正治 鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 教授 (30325815)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | microcystin-LR / アノイキス抵抗性 / 上皮・間葉転換 / 間葉・上皮転換 / リン酸化 / p53 / AKT |
Outline of Annual Research Achievements |
シアノトキシンmicrocystin-LRを選択的にヒト肝細胞に取り込む輸送体タンパク質OATP1B3遺伝子SLCO1B3を強制発現している接着性の培養細胞HEK293-OATP1B3にmicrocystin-LR曝露することにより、microcystin-LRが示す細胞毒性のために一部の細胞が剥離浮遊する。この剥離浮遊細胞は培養フラスコに再接着する性質をもつように形質が変化している。この間葉・上皮転換様の形質転換細胞HEK293-OATP1B3-FLおよびmicrocystin-LR曝露後に培養フラスコに接着し続けた細胞HEK293-OATP1B3-ADに改めてmicrocystin-LRを曝露すると再びアノイキス抵抗性細胞および培養フラスコに接着し続ける細胞に分離された。すなわち第2世代細胞のHEK293-OATP1B3-FL2およびHEK293-OATP1B3-AD2の出現を確認した。その後さらに第3世代の細胞の出現について解析する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、研究の進捗が著しく妨げられた。 また、第1および第2世代のHEK293-OATP1B3-FL/FL2およびHEK293-OATP1B3-AD/AD2細胞内へのmicrocysystin-LRの取り込み・蓄積を解析した結果、新規microcystin-LR結合タンパク質が存在する可能性を示唆する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、所属研究機関において研究停止期間があり、また、研究再開後も感染症対策をとり、さらに実験試薬等の入手困難または価格高騰により、研究の進捗が著しく妨げられたために、研究計画の遂行が大幅に遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、昨年度に実施できなかった解析のなかで、第3世代の細胞を作出可能か否かを検討する。作出樹立が可能であった場合は、第1世代、第2世代、そして第3世代のアノイキス抵抗性細胞の性状解析を行い、その結果の比較、整理を行う。作出できなかった場合は、第1世代と第2世代間の比較解析を行う。 また、昨年度までの研究において新規microcystin-LR結合タンパク質が存在する可能性を示唆する結果を得た。そこで、研究計画を一部変更し、microcystin-LR結合タンパク質の同定についても検討を加える。
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Research Products
(5 results)