2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of kamaboko gel from small anchovy
Project/Area Number |
19K06233
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
大迫 一史 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (00452045)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カタクチイワシ / 低未利用 / 有効利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、小型カタクチイワシからタンパク質をSalt water法(細切したラウンドに食塩水を添加してタンパク質を溶解させた後、不溶性成分を除去して蒸留水を添加して溶解したタンパク質を不溶化させ、これを遠心分離により沈殿させて回収する方法)で回収したタンパク質を分解するプロテアーゼのタイプ特定を行った。タンパク質回収前の細切肉、塩水中で4℃で10分間溶解後のタンパク質、遠心分離後の上清タンパク質、真水中で析出させ、遠心分離後の沈殿タンパク質、脱水シートで脱水後のタンパク質、7.5%のスクロースを添加後のタンパク質、-30℃で凍結保存後のタンパク質について、それぞれをSDS-PAGEを用いてタンパク質の分子量分布の確認を行ったところ、脱水シートで脱水中にタンパク質の分解が顕著に生じていることが確認できた。次に、この原因を特定するため、メタロプロテアーゼインヒビターであるEDTAおよびオルトフェナントロリン、セリンプロテアーゼインヒビターであるベンズアミジンおよびSBTI,システインプロテアーゼインヒビターであるE-64およびNEM,アスパラギン酸プロテアーゼインヒビターであるペプスタチンAを用いてタンパク質の分解を調べたところ、セリンプロテアーゼが脱水中にタンパク質を分解していることが示唆された。以上の結果よりカタクチイワシから回収したタンパク質から調製したかまぼこゲルの物性が低い理由として脱水中のタンパク質の分解が考えられた。そこで、実際に回収タンパク質に、プロテアーゼインヒビターとして効果が高かったSBTIを添加してかまぼこゲルを調製したところ、最も高い破断強度を有するかまぼこを得ることができた。
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