2019 Fiscal Year Research-status Report
The defensive properties of beta-trefoil fold lectins in bivalve Mytilidae.
Project/Area Number |
19K06239
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
大関 泰裕 横浜市立大学, 理学部, 教授 (70275022)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 佑樹 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (80610063)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | レクチン / ムール貝 / スフィンゴ糖脂質 / GM1b / アシアロGM1 |
Outline of Annual Research Achievements |
イタリア、バングラデシュとの国際共同研究として、イガイ科ムラサキインコガイ(Mytilisepta virgata)からレクチンSeviL(セヴィル)の単離精製、R-型レクチンファミリーの属性、スフィンゴ糖脂質[GM1b・アシアロGM1(GA1)・SSEA-4]への結合性、細胞表面のGA1糖鎖結合を介したシグナル伝達と腫瘍細胞の細胞死活性を明らかにし、論文(欧州生化学会誌FEBS Journal)に発表することができた。 セヴィルの生理的な特徴としてムラサキインコガイのエラと外套膜細胞の表面に存在することを免疫組織学的に明らかにした。そのアミノ酸配列から、大腸菌を用いた遺伝子組み換え技術で二量体型および単量体型SeviLを作ることができ、立体構造決定にむけた準備を確立できた。イガイ科のもう一つのβ-トレフォイル型レクチンであるマイティレックに関しても新たに転写因子の遺伝子を増幅および抑制させることを明らかにした。イガイ科から発見されたレクチンの細胞増殖制御作用は、レクチン全般に見られることでなく、細胞表面に結合し、細胞内のリン酸化を活性化しても、増殖スピードを変えないレクチンも複数存在することも今期明らかにすることができた。これらの成果は、学術論文の発表に加えて、第107回インド科学会議(2020年1月3-7日インド農業大学 カルナータカ州ベンガルール 出席者数約3万人)へ招へいされ、分科会で基調講演を行う機会を得たことにより、広く世界へ公表することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
イタリアおよびバングラデシュとの国際共同研究として、6報の学術論文、1冊の学術書を著すことができた。特に、セヴィルの一次構造解析、スフィンゴ糖脂質糖鎖特異的な糖鎖認識、細胞表面糖鎖とレクチンの結合による細胞の代謝活性化と細胞増殖制御を、欧州生化学会誌(FEBS jouranl)へ公表することができ、本研究の中核をなす新レクチンの構造と機能を広く知らせることができた。セヴィルと同じ立体構造ファミリー群に属すマイティレックの細胞増殖制御機能に関しても、転写因子の遺伝子の活性化について新たに明らかにすることができた(Marine Drugs)。明らかとなったアミノ酸配列をもとに、天然型(二量体)と変異体(単量体)セヴィルを大腸菌から発現する系の作出に成功し、立体構造決定にむけての準備ができ、これらは次年度以降の研究の発展に大いに役立つと考えられた。
|
Strategy for Future Research Activity |
イガイ科と他の二枚貝の糖鎖を、アレイ解析により明らかにし、軟体動物中の糖鎖プロファイルを比較する。大腸菌によるセヴィルの発現系が確立できたことから、タンパク質の結晶化を試み、セヴィルの立体構造を決定しイガイ科に存在するもう一つのβ-トレフォイル型レクチンであるマイティレックの立体および糖鎖結合性の違いを比較し明らかにする。さらに両レクチンのmRNA発現の差を比較する。これにより研究テーマであるβ-トレフォイル型レクチン群の構造と機能の類似性および差異を解析し、二枚貝におけるレクチンの機能を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
糖鎖構造解析の委託解析費として前倒し使用の申請を行った。しかし、生物試料が予想外に入手できず、当初の目的の約半分程度となったため、使用額に残金が生じた。これらの解析は2020年度中に行い、新年度申請の助成金と共に計画的に利用する。
|
Research Products
(15 results)
-
-
-
[Journal Article] A GM1b/asialo-GM1 oligosaccharide-binding R-type lectin from purplish bifurcate mussels Mytilisepta virgata and its effect on MAP kinases.2019
Author(s)
Fujii Y, Gerdol M, Kawsar SMA, Hasan I, Spazzali F, Ogawa Y, Rajia S, Kamata K,Koide Y,Pallabicini A,Sugawara S,Hosono M,Tame J,Fujita H,Ozeki Y
-
Journal Title
FEBS Journal
Volume: 00001
Pages: 0001-00001
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-