2021 Fiscal Year Research-status Report
放射性物質検査体制の転換と認証制度に基づく新たな産地形成に関する研究
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19K06244
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
小山 良太 福島大学, 食農学類, 教授 (60400587)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 原子力災害 / 放射能汚染 / 風評被害 / 帰還困難区域 / 営農再開 / ALPS処理水 / 福島県農林水産業 / 復興知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の一つである新たな検査体制及び認証制度の設計とそれに基づく産地形成の在り方の検証を行った。放射能汚染問題に関して消費者の安心を確保するためには、放射性物質に関わる試験研究成果に基づいた検査体制の体系化が必要である。現行の出口対策だけではなく、生産段階(入口)における放射性物質を移行させない政策に重点を置くことで、より安全性を高め、消費者の安心を担保する対策となる。具体的にはHACCP のような食品の原料の受け入れから製造・出荷までのすべての工程において、放射性物質の混入リスクの発生を防止するための重要ポイントを継続的に監視・記録する衛生管理手法とGAPのように生産履歴を認証する仕組みに放射能汚染対策と検査体制を組み込む必要がある。これにより継続的な安全確保と消費者への検査情報を認証機関を通して提供することが可能となる。 これに関連して、日本も含む海外10カ国における風評被害に関する国際比較調査を実施した。また、廃炉工程に関連しては発生するALPS処理水と地元漁業に関して、安全性と地域の安心に関する調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの影響で現地調査等に若干の遅れがでたが、当研究組織が被災地に立地しているため恒常的な研究会実施等も含め、概ね順調の進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
国際シンポジウムの開催とベラルーシ、ウクライナ等海外研究者との合同調査に関して、オンラインも含めた実施体制の構築を検討し、一部を実施した。 この間の「風評被害」状況及び流通構造の変化を踏まえた新たな検査体制及び認証制度の設計とそれに基づく産地形成の在り方を検証する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの流行の影響で、海外調査、国際シンポジウムの参加ができなかったため旅費等を次年度以降に振り替えざるを得なかった。本研究は4年計画であるため国際研究のパートを新型コロナウィルスの流行の収束が見込まれる後半、最終年度である2022年度に振替て対応することとする。
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