2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K06245
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
首藤 久人 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40292792)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インド / 食料補助金 / エチオピア / Food for Work / 食料消費分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度には,昨年度に投稿を行っていたインドのアンドラ・プラデシュ州において行われた食料配給価格の改訂が食料消費・栄養摂取行動に及ぼす効果を準実験的に検証した論文について,査読結果に基づき改訂を行った。これについては現在投稿先学術誌において引き続き査読が行われている。さらに,インドの食料配給プログラムの効果に関する既存研究ではあまり検証が試みられていない受益の水準が食料消費や栄養摂取行動に及ぼす影響についてインドを対象に実施されたミクロ家計調査データに基づき分析を試みた。 また,大学院生とともにエチオピアで実施されている現物・現金給付プログラムが農業生産あるいは食料消費行動に及ぼす影響を,エチオピア統計局と世界銀行が実施し提供しているミクロ家計調査に基づき検証した。前者では,農村部の家計を対象として,受益の有無を内生的に扱ったうえで,この給付へのアクセスが農業生産行動におよぼす影響について検証を行った。この成果は現在,学術誌に投稿し査読を受けている。後者の消費行動に及ぼす影響については,都市・農村を対象に,消費分析において伝統的に用いられている需要体系分析と給付プログラムにおける受益の有無のインパクト評価手法を組み合わせることにより,現物・現金給付プログラムの家計食料消費行動に及ぼす影響を検証している。現物の直接給付や公共工事への参加を伴う形で実施されている同国のプログラムにおいて,このプログラムの受益が家計内生産行動に及ぼす影響に注視しながら食料消費分析を行っている。この内容に関する現在までの成果については第11回アジア農業経済学会大会において報告をおこなった。現在,この成果の精緻化を試み公表に向けて準備を行っている。
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Research Products
(1 results)