2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploratory study of urban food policy in Japan
| Project/Area Number |
19K06260
|
|---|
| Research Institution | Fukuyama City University |
|---|
Principal Investigator |
清原 昭子 福山市立大学, 都市経営学部, 教授 (20351968)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 由喜子 龍谷大学, 農学部, 教授 (40310841)
山口 道利 龍谷大学, 農学部, 准教授 (40709359)
大門 創 國學院大學, 研究開発推進機構, 准教授 (70514321)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | 都市食料政策 / 都市における飢餓 / 食品小売店 / 食物アクセス / 食物摂取頻度 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、わが国の都市とその周辺地域において発生する「都市における飢餓」に着目し、食料を量と質の各側面でいかに確保するべきかを検討中である。具体的には以下の3つの課題を設定している。
1)地域および都市におけるフードシステムの脆弱性のアセスメント手法を確立する。
2）「都市における飢餓」への施策の社会的意義と限界を明らかにする。
3）わが国の特徴にあわせた都市食料政策のあり方を示す。
2021年度は、以下のように研究をすすめた。課題1）については、2020年度に実施した広島県、岡山県における食料品小売店の分布に関する調査を通じて得られた仮説（調査仮説①および②）をもとに、広島、岡山両県に居住する20－49歳までの女性を対象とした食料品の購買行動と食物摂取頻度に関する大量調査向けの質問票を開発した。この調査票により、インターネット調査会社を通じた大量調査を実施した（2021年6月）。調査結果の分析作業を進め、食行動（食物摂取頻度）に関連する要因の抽出を行った他（調査仮説①）、環境または栄養に配慮した食品への支払意思額に影響を与える要因に関する分析を行った（調査仮説②）。
課題2）および3）については、都市食料政策（地域食料政策）の連携が進む北米、フランスにおける購買環境整備に関する情報を文献ならびに地域食料ビジョンに関する公開研究会（2021年3月、4月）等に参加することで収集、整理した。同研究会への参加を受け、わが国における食料政策確立のための要件を探り、同時に現在までのわが国の農業・食料政策を検討する作業を進めた。この成果は季刊誌『農業と経済』の依頼論文として掲載された。さらに、都市食料政策構築の前提となる、特定の地域圏における自治体（兵庫県神戸市）の食料・農業担当部署へのヒアリング調査を実施し、地域圏における地域住民への食料供給に関する現状の課題について情報を得た。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題1）については、分析の担当者の一人の勤務先の移動にともない、綿密な意見交換等にやや支障が生じたため、年度内の結果公表に至らなかった。
課題2）および3）については、新型コロナウイルス感染症の拡大傾向が続いたため、感染防止の観点から、事業者への面談調査が実施できなかった。
|
| Strategy for Future Research Activity |
課題1）については2021年6月に実施した大量調査の分析結果の一部（調査仮説②）を、国際学会で報告すべくエントリー中である（2022年6月に採択が判明予定）。また、調査仮説①に関わる分析結果をもとに、国内外の学会誌へ論文投稿を進めていく。
課題2）については、自治体調査の成果の取りまとめ過程において、並行して共同研究者らによって実施されていた同市内の食品関連事業者の現状と課題についての情報を得ている。これは課題2）のうち市内消費者への食料品供給と市民の幅広い食料アクセス問題への民間事業者の取り組みとその限界についての情報と位置づけられる。2022年度はこれらの情報も踏まえ、市民の食料品アクセスの課題への官民双方のアプローチとその限界を解明していく。
課題3）については、調査旅費の残額を活用し、神戸市での食料品販売店舗の実地調査および消費者の購買行動調査を実施していく。この際、2021年に購入した小売店舗の分布に関する地域データ（京都市、神戸市）を活用していく。
|
| Causes of Carryover |
研究分担者3名との研究会・打ち合わせが全てオンライン実施となったため、旅費が不要となったことが経費の未使用分である。また、神戸市を対象に実施した自治体調査の実施時期（2021年1月）が勤務先地域の新型コロナウイルス感染症の感染状況が悪化していたため、対面での調査に参加出来ず（オンライン参加となった）、予定していた調査旅費が執行残となっている。また、研究分担者による学会参加もオンラインとなったケースがあり、これらも執行残となっている。
次年度は、研究代表者の執行残高を用いて、国際学会での成果報告ならびに学会誌への投稿を進める。また、研究分担者（山口）の執行残高をもとに、課題2）および3）に関わる調査、分析を進める予定である。
|
Research Products
(1 results)
