2022 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Study on the Reorganization of Fruit and Vegetable Distribution for Food Business
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19K06269
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂爪 浩史 北海道大学, 農学研究院, 教授 (80258665)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エリア仕入れ / 直荷引き / 産地ファースト / 青果物 / スーパー / 卸売市場 / 農協系統 / 加工業務用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に3つの課題にとり組んだ。 第1は、前年度から引き続いて、小売業再編とスーパーによる青果物調達システムについて、北海道内のスーパー業界の再編動向ならびに主要スーパー2社の青果物調達システムを分析した。スーパーによる卸売市場利用の縮小傾向は続いており、中でも札幌市中央卸売市場からの仕入率が劇的に落ちてきていること、卸売市場利用はスーパーのエリア仕入れ重視の中で、札幌市場も札幌エリアにおける仕入れ市場としての位置付けしかなくなってきていることによるものであった。 第2は、遠隔地卸売市場お動向とコロナ禍への対応という課題で、札幌市中央卸売市場の卸売業者、仲卸業者の動向を分析した。開設者である札幌市の方針もあって、卸売市場内における分業体制を堅持しようとしているものの、仲卸業者による直荷引きが大きく進展していることを明らかにした。コロナ禍の影響としては、業務用需要の縮小、スーパー販売の拡大が表裏の関係で進んでおり、卸売業者の段階では大きな影響はなく、仲卸業者についても、業務用に特化していた業者以外は大きな影響はなかったことを明らかにした。 第3は、遠隔青果物産地、農協系統組織における営農販売事業について、北海道の農協販売事業を統括するホクレンを事例に分析をおこなった。道内では青果物生産がこの間縮小傾向を続けており、ホクレンではその対策として、外見等を重視した生鮮青果物の北海道外(主に卸売市場)への移出に力点を置いてきたこれまでの販売戦略を抜本的に見直し、産地の生産力維持向上を最優先にする「産地ファースト」戦略をその中心に据えた。どう戦略の根幹は、省力化対応と加工業務用対応の強化であり、こうした戦略は、現在全国的に叫ばれているマーケットインとしての対応ではなく、むしろプロダクトアウト戦略であることを解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響もあり、フィールドワークとしての現地調査、ヒアリング調査が困難な状況があり、研究がやや遅延することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響はほぼ無視しうるところまで、規制を含めて緩和されたので、あと1年で調査研究計画を完遂したい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍によって現地調査が十分に展開できなかった。残額を利用し、研究課題についての取りまとめを完遂したい。
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