2021 Fiscal Year Research-status Report
Comparative Study of Agriculturaland Marine Products Marketing using Electronic Commerce between Japan and China
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19K06273
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
徳田 博美 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (20346000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 章久 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (60355253)
常 清秀 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (70335149)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 電子商取引 / 中国 / 地理的表示 / 果樹経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国において果樹産地で電子商取引の普及が農家に及ぼした影響について事例調査結果をまとめた。調査対象地は河南省のキウイ産地であるが、既存の流通チャネルは仲買業者での収穫前の販売(青田売り)であり、農家が自らマーケティング活動に携わることは少なかった。電子商取引は2016年から普及し始めたが、調査時(2018年)には調査農家の4割で取り組んでおり、短期間で拡大した。電子商取引を取り入れることで初めてマーケティング活動に携わる農家も多く、商品生産者としての成長につながることを示唆している。また普及状況には階層性があり、大規模な企業的経営での導入率が高い一方で、その次の階層の規模の大きい家族経営層では導入していなかった。これは出荷調製作業での労働負担が電子商取引導入のネックとなっていることを示唆するものと考えらる。また地理的表示を取得し、産地拡大に成功しているモモ産地では、販売の4割程度が電子商取引による販売となっており、地理的表示を活かした販売戦略として電子商取引が重要な役割を果たしていた。また自治体などによる電子商取引の研修が行われており、それが電子商取引拡大を支えていることも明らかになった。 日本については、農業センサスでインターネットによる消費者直販を行っている農業経営体の特性を分析した。経営組織別にみると、インターネットによる消費者直販を行っている農業経営体は稲作単一経営と果樹類単一経営が多く、両者で全体のほぼ半数を占めている。経営体に占める比率では、果樹類単一経営で比率が高い。地域別にも山梨県、長野県という東山地域の直販型経営の多い果樹生産県で多かった。販売金額別では、販売金額の多い経営体で比率が高いが、金額の少ない経営体にも広がっており、実数では販売金額500万円未満の経営体で5割弱に達しており、小規模な経営体にも広がっていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大のため、中国での調査は実施できず、インターネットを通じた資料収集およびインタビューのみで情報収集を行わざるを得なかった。国内の調査もほとんど難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1年間延長したが、中国での現地調査は依然困難と考えられるので、実施は断念し、農業産地での電子商取引の影響についてはこれまでの調査などに基づいて纏めることとし、消費者へのインターネット調査によって消費者の電子商取引での農産物購入の特徴について日中間の違いを明らかにする方向で研究計画を変更することを検討する。 日本国内については、現地調査が可能となりつつあるので、電子商取引導入比率の高い東山地域の果樹産地を中心として農家調査を計画する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大のため、国内外での現地調査が実施できなかったため、未執行額が生じた。次年度も中国での現地貯砂を困難と予想されるので、研究計画を一部変更し、インターネットによる消費者調査を実施する方k場で検討し、残額はその費用に充てる。国内での調査については次年度は可能であると判断している。
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Research Products
(2 results)