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2021 Fiscal Year Research-status Report

戦後沖縄地域における生活改善普及事業に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19K06274
Research InstitutionShimane University

Principal Investigator

中間 由紀子  島根大学, 学術研究院農生命科学系, 助教 (90709130)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords生活改善普及事業 / 沖縄地域 / USCAR / 琉球政府 / 生活改善グループ
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、USCAR(琉球列島米国民政府)の直接統治下にあった沖縄地域において実施された生活改善普及事業の方針とその実態について明らかにすることにある。そのために、2021年度はUSCARおよび琉球政府等が発行した関連資料の調査・収集を行った。
調査の結果、占領期の沖縄では琉球政府と琉球大学がそれぞれ普及事業(農業改良普及事業、生活改善普及事業、青少年育成事業の総称)を行っていたことが明らかになった。普及体制の概要は次の通りである。琉球政府においては、1950年4月に普及事業の所管として琉球農林省農業改良局が設置された。1951年8月には生活改善普及事業の担当課として「生活改善課」が新設された。1952年4月に琉球政府が発足した後は、経済局農務課「生活改善係」として改組された。農村において実際の指導に当たる生活改良普及員は全て女性であり、沖縄本島、宮古、八重山、奄美(1953年の本土復帰まで)に配置された。普及員は度々本土の事業の視察や研修に赴いていた。さらに、本土の普及事業を象徴する文言である「考える農民」という言葉が当時の資料に散見されることから、琉球政府の事業は本土の影響を強く受けたのではないかと考えられる。
琉球大学においては、1955年に普及事業が発足した。これは琉球大学をアメリカのランド・グラント大学と同様に、教育・研究・普及の三位一体の大学に発展させようという構想に基づくものであった。計画の推進のため、USCARはミシガン州立大学と契約を結び、同大学の教授顧問団が派遣された。琉球大学の普及事業は1972年まで行われた。
上記の通り、占領期沖縄においては、本土復帰まで形態の異なる2つの事業が併存していた。さらに、琉球政府と琉球大学の間には事業めぐって対立が生じていたことが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

2020年度の新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、沖縄県が「緊急事態宣言」の対象となり、予定していた調査を行うことができなかった。そのため、調査計画の変更をせざるを得ず、研究も大幅に遅れることとなった。
以上の理由により、当初期間内に研究を遂行する事ができなかった。そのため、研究期間を1年間延長するに至った。

Strategy for Future Research Activity

最終年度である2022年度は、遅れている資料調査を引き続き行う。USCARの資料の調査および詳細な分析を行う。さらに、琉球政府が発行した生活改善普及事業に関する資料の調査・収集を行い、同政府の事業方針について検討する。また、新型コロナウイルス感染症の流行の状況を考慮しつつ、関係者に対する聞き取り調査を実施し、占領期沖縄地域の生活改善普及事業の実態について明らかにする。

Causes of Carryover

2021年度は3回にわたって調査を実施することができたが、2020年度に現地調査が全く実施できず、研究費をほとんど使用しなかったため、494千円の繰越が生じた。最終年度は、繰越金494千円を物品費44千円、旅費450千円として使用する計画である。

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Published: 2022-12-28  

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