2022 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Study by local and international level on 'Agro-Medico-Police' and improvement of well-being
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19K06282
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
池上 甲一 近畿大学, その他部局等, 名誉教授 (90176082)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アグロ・メディコ・ポリス / 医福農連携 / ウェルビーイング / 農村サステナビリティ / 高齢者福祉 / 生き物農業 / 小農・家族農業 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の2022年度は、アグロ・メディコ・ポリスの意義について国際発信をするための英文論考の完成に力を注いだ。2021年にオンラインで開催した日本農村のサステナビリティに関する国際シンポジウムで報告した内容をブラッシュアップして最終稿として取りまとめた。現在、このプロジェクトのリーダーによる最終判断を待っているところである。当初は単行本としての出版を意図していたが、厳しい出版事情を考慮して、国際雑誌の特集か国際学会での特別セッション、もしくは個別に投稿するかを選択肢として議論を続けている。このことを念頭に置きながらも、9月を目途に、国際雑誌への投稿を検討している。 フィールド調査の拠点とした兵庫県丹波市では、健全な農業・農村環境の指標として「田んぼの生き物調査」を実施し、その結果を非営利活動法人西日本アグロエコロジー協会編集の報告書として取りまとめた。この調査は、一般社団法人アクト・ビヨンド・トラストの助成金を受けて、滋賀県高島市でも実施した。その結果、丹波市では、有機水田と慣行水田(半減農薬)における生物相に有意差はなく、むしろ用水管理と畦畔の草管理が生物多様性にとって重要である可能性が示唆された。このことによって、アグロ・メディコ・ポリスの基盤としての生き物農業の幅を広げることが可能となる。今後は、学校給食や介護施設の給食での地元産米の利用、生き物調査への子供と高齢者の参画など、アグロ・メディコ・ポリスの具体化に向けた検討を進める。 2022年度の前半はまだCOVID19の感染が収束しなかったので、アグロ・メディコ・ポリスの中心アクターをなす医療関係者やケア関係者との連携が実現できなかった。ウィズ・コロナの時代におけるアグロ・メディコ・ポリスのあり方を考えるという新しい課題の重要性が明らかになった。
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Research Products
(7 results)