2020 Fiscal Year Research-status Report
篤農技術採用者の意思決定メカニズムの解明:水中疎植栽培法を対象にして
Project/Area Number |
19K06283
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
安江 紘幸 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, 主任研究員 (40508248)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 篤農技術 / 小集団活動 / 技術普及 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、篤農技術を採用する米農家の小集団における相互干渉が米づくりにどのような影響を及ぼすかを検討するため、昨年度と同様に収量調査会や食味調査会を継続して実施した。 今回の食味評価には、東北地方:初期採用者(秋田県湯沢市産あきたこまち)、関東地方:初期採用者(茨城県龍ケ崎市産コシヒカリ)、中部地方:後期採用者(長野県佐久市産コシヒカリ)・若手の後期採用者(長野県松本市産コシヒカリ)、初期採用者(新潟県長岡市産コシヒカリ)、近畿地方:初期採用者(滋賀県野洲市産恋の予感)、中国地方:後期採用者(山口県美弥市産コシヒカリ)、九州地方:後期採用者(鹿児島県いちき串木野市産にこまる)が出品した8品種に加えて、業務用多収米「ゆみあずさ(平成30年度岩手県産)」を用いて、篤農家の米(福島県産コシヒカリ)と比較した。 今回の食味評価では、初期採用者の方が後期採用者よりも高い評価を得ているが、他方で後期採用者のうち比較的若い年代の方が高い評価を得ている。特筆すべき点は、後期採用者A氏のコシヒカリのタンパク質含量が7.9%と良食味となる標準値(6.6~7.5%が標準的な数値、6.5%以下で粘り強い)よりも高いにも関わらず、「総合」の評価が高かったことである。このことについて、各出品者に対して小集団活動における相互干渉についてヒアリングを実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症変異株拡大等の影響により延期となった。現在も出品者に対するヒアリング調査実施の目途は立っていない。また、食味評価の結果を踏まえ、各出品者に対しても同様にヒアリングを実施する予定であったが中止している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
篤農技術の初期採用者と後期採用者の相互干渉が米づくりにどのような影響を及ぼすかを検討するため、2020年12月~2021年2月に食味評価の出品者8名に対して、現地でのヒヤリング調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により調査を実施することができず、今年度成果の取りまとめが完了していないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は、2019年4月から2022年3月の3年間の予定であるが、新型コロナウイルス感染症の終息が2021年12月までに見通しが立たない場合は、一年延長することを検討する。 なお、今年度は、設定した研究計画に沿って昨年度に実施予定だった計画を着実に遂行し、これまでの研究成果を取りまとめる計画である。
|
Causes of Carryover |
2020年12月から2021年2月までに予定していたヒヤリング調査を実施できなかったことから次年度使用額が生じているが、予定通り調査旅費に充当する。
|