2020 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of water-saving salt removal system by extension of the surface suction leaching method
Project/Area Number |
19K06291
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
猪迫 耕二 鳥取大学, 農学部, 教授 (60243383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野波 和好 鳥取大学, 農学部, 教授 (20704795)
齊藤 忠臣 鳥取大学, 農学部, 准教授 (70515824)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 除塩 / 塩類集積 / 乾燥地 / 農地修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,昨年度末に組みあがった拡張した表層吸引溶脱装置を実装した自走式除塩作業機の性能評価試験として,作業機による挿入部の押し込み試験と送水―吸引実験を行った. 押し込み試験では,砂質埴壌土の圃場において作業機による挿入部の押し込みを実施した.その結果,土壌の貫入抵抗が作業機の貫入力を上回るほど締め固められた地表面では,挿入部を押し込める深度に限界があり,限界に達すると作業機本体が浮き上がった.このことから,自重による挿入方式を見直す必要があることが明らかとなった. 圃場での挿入部の押し込みが困難であることが明らかとなったため,送水-吸引実験では.大型容器に充填した風乾状態,湿潤状態の土壌で評価試験を行った. 1サイクルを10秒給水,110秒吸引の計120秒とし5サイクルで1セットとした.供給水の回収率で性能を評価した.風乾土壌での実験では,1サイクル目の回収率が低く,3サイクル目で安定した,風乾状態では初期段階での土壌の吸引圧が装置のそれを上回るためと思われた.湿潤状態の実験では,給水量,回収水量ともに全サイクルを通してほぼ一定の値を示しており,システムの安定的な運転により供給水の回収率80%を維持できた.湿潤状態の土壌ではフィルターと土壌表面の接触が運転開始時から良好な状態で維持されたためと判断された.なお,挿入部が土壌表面に水平に差し込めなかった場合には,サイクルの途中で供給水が一か所に集中しパイピングによる水みちが形成され,供給水の回収が不可能となった. 本年度の実験により,開発した自走式除塩作業機と制御システムにより表層吸引溶脱装置を安定的に運転できることが確認できた.一方で,挿入部を所定の深さまで水平に押し込むためには作業機のアーム部をさらに改良する必要があることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自走式除塩作業機を組み上げ圃場実験を実施したが,挿入部を土壌に押し込むアーム部の構造にやや問題があり,機械的な改良が必要であることが明らかとなった.そのため,圃場実験を翌年に先送りし,自走式除塩作業機に実装した表層吸引溶脱装置の制御システムの性能評価試験を優先させた.そのため,圃場実験に着手できなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
自走式除塩作業機のアーム部を改良し,挿入方法の改善を行う.ハード的な改良を行っている間に,模型実験と数値実験を行い,最適運転条件の探索を行う.ハード面の改良が終了した後に,すみやかに圃場実験を行う.なお,乾燥地を模擬した圃場実験を行うために2020年度に自走式除塩作業機を格納できるビニルハウスを建設した.最終年度はハウス内の模擬乾燥地圃場において自走式除塩作業機の性能評価と成果報告を行う.
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Causes of Carryover |
表層吸引溶脱装置を実装した自走式除塩作業機において,過度に乾燥した土壌の貫入抵抗が挿入部を接続したアームによって生み出される貫入力を越えていたため,アームの改良なしには圃場での実証実験ができないことが判明した.アームの改良を行うと運転制御システムの性能評価に割く時間が不足するため,圃場実験は翌年度に持ち越し,運転制御システムの性能評価試験を優先させた.そのため,2020年度に予定していた圃場実験用の物品費を支出できなかった.
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