2023 Fiscal Year Annual Research Report
住民主導の地区計画の理論化完成に向けたマネジメントサイクルの実態解明
Project/Area Number |
19K06294
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
九鬼 康彰 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (60303872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内川 義行 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (20324238)
田村 孝浩 宇都宮大学, 農学部, 教授 (20341729)
中島 正裕 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80436675)
新田 将之 新潟大学, 佐渡自然共生科学センター, 准教授 (00843781)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 集落計画 / 計画プロセス / 展開プロセス / 動機づけ / 継承意欲 / 里山管理 / 活性化プラン / テキストマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
九鬼は兵庫県神戸市の集落計画を取り上げ,開発規制の緩和に伴う定住起業制度を利用した計画の更新状況とその作成過程等について調査を行った。起業者6名と,計画を更新した2地区の代表者への聞き取り調査から,計画の作成者は①市のみ,②起業者のみ,③市と起業者が協力して,の3ケースで,住民の関与が低いことが明らかになった。②のケースでは住民との関係構築に苦労するケースもあったが,計画の作成により地域行事への参加やルール遵守に対する意識の向上がみられるなどの効果が確認できた。 新田は,農村特有の整備事業群が住民主導型地域づくりへと発展してきた長期プロセスを解明した。そして「地域づくりの仕組み」という試論に基づきその構成要素を導出し,地域づくりの展開プロセスを検証した。その結果,構成要素として「意識」,「連携」,「組織」,「計画」及び「規定」の5要素が導出され,これら要素との相互作用系のなかで地域づくりの進展及び衰退が生じていたことを示した。 また中島は滋賀県甲良町北落集落を対象に、心理学の概念である「動機づけ」に着目し、集落行事の継承意欲形成のメカニズムの解明を行った。具体的には、動機づけに関する既往研究に基づき、動機づけが循環的/経年的に発達し継承意欲を形成する仮説モデルを構築し、むらづくり委員会7名に適用した。その結果より「内発的に意識変化」した6名の検証結果を統合化して動機づけメカニズムの理論化を試みた。 さらに内川は長野県根羽村の里山管理計画の実施手段として,山地放牧の可能性と制度不備に基づく課題の整理を行った。そして田村は宮城県内で策定された活性化プラン6事例を対象にテキストマイニングを行った。クラスター分析の結果,「農業の現状と圃場整備」,「農業経営と担い手」などの階層に関する記述が多かったがこれは,活性化プランが圃場整備事業の基本計画の一端を担っているからと考えられた。
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Research Products
(5 results)