2020 Fiscal Year Research-status Report
赤土微粒子に対するフロック形成操作のための最適な攪拌条件の定量的評価
Project/Area Number |
19K06295
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
仲村渠 将 琉球大学, 農学部, 准教授 (70537555)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 赤土フロック |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に組み立てた実験装置を用い、赤土フロック形成実験を行った。攪拌翼を毎分1回転させて赤土懸濁液を1時間攪拌し、攪拌停止直後から1時間後までの濁度を連続計測した。攪拌流れの違いが赤土フロック形成に影響するかどうかも確かめるため、攪拌翼の回転の向きを実験条件として導入し、時計回転の場合と時計・反時計切替え回転の場合を試した。なお、攪拌しない場合を全体の対照操作とした。 その結果、対照操作、時計回転および時計・反時計切替え回転のいずれの場合においても濁度は時間経過とともに減少する傾向を示した。時計回転および時計・反時計切替え回転の濁度は攪拌を行わない対照操作の場合より小さくなった。このことは、攪拌操作を施した赤土懸濁液には赤土フロックがより多く存在することを示唆する。これはつまり、攪拌操作を施した赤土懸濁液の濁度が小さくなり易いということは、赤土の浮遊物同士の間隔が広くなって透き通っていたり、赤土の浮遊物が速やかに沈降したりするからだと考えられる。これらの現象がなぜ起こったかを無理なく説明するには、攪拌操作が赤土フロックを形成させたと考えておくほうが今のところ都合がよい。攪拌流れに多様な渦が生成され、赤土微粒子の衝突頻度が高まり、赤土フロックの形成が進んだのだろう。 時計回転と時計・反時計回転の平均トルクおよび平均仕事を比較すると、後者のほうが前者より約13倍大きい。このことは、時計・反時計回転の攪拌は時計回転の攪拌よりも多くのエネルギーを流れに注入したことを示しており、その分だけ渦の多様度(強さ、大きさ、数など)が高まっていたことを示唆する。時計回転と時計・反時計回転の濁度を比較してみたが、サンプル数が少ないため、その大小関係を明確に示すには至らなかった。赤土フロック形成に最適な渦を生成する攪拌を引き続き探索する。 諸般の事情により、PIVを用いた水理計測を見送った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
赤土フロック形成実験を行うことができたことに関しては計画通りの進捗だと考えている。PIVを用いた水理計測を行うことができなかったことに関しては、当初予期せぬ事情のため、やむを得ず進捗が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
赤土フロック形成実験を行ってデータを補強し、赤土フロック形成に最適な攪拌条件を求める。また、PIVを用いた水理計測を行い、攪拌流れの水理を確かめる。
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