2019 Fiscal Year Research-status Report
静電場を利用した雑草繁殖抑制システムの開発と静電ハービフェンスへの応用
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19K06299
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
松田 克礼 近畿大学, 農学部, 教授 (30268453)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 蔓性雑草 / 葛 / 静電気 |
Outline of Annual Research Achievements |
雑草のクズを効果的に攻撃するため、クズの形態と生態を調査した。クズのつるの太さと節間(脇芽間)の長さ、および、クズのつるの成長速度を調査した。その結果、成長点近傍の先端は1~3mm、先端から10cm以上の位置では5~10mmに成長すること、また、6月から9月の3か月で10m以上伸長することが確認できた。 成長点を効果的に破壊するため、放電条件について検討した。高圧電源とバッテリーは、実用化を考慮し、電気柵用のソーラー式パルス電源を使用した。パルス幅は1秒間に1回、放電電流は1mAの装置である。放電の条件として、まず、電極とクズの先端との距離を決定し、次に、その距離を固定してクズの先端とアースラインとの距離を調査した。その結果、電極と先端の距離は5mm以内、先端とアースラインの距離は10cm以内に設定することが必須の条件であると決定できた。 放電がクズの温度上昇に及ぼす影響を検討するため、サーモグラフィーカメラを購入し、放電回数および放電時間がクズの成長点近傍の温度上昇に及ぼす影響を調査した。電極とクズの先端との距離を固定し、クズの先端とアースラインの距離を5~60cmの間に設置し、サーモグラフィーを用いてクズの温度上昇をモニターした。なお、放電時間は1~5分間とした。その結果、5分間の放電処理によってクズの先端における温度上昇は、先端とアースラインの距離が5~10cmの間においてのみ誘起され、その上昇は、25度から35度前後であることが明らかとなった。放電時間を5分以上に設定した場合においても温度上昇は確認されず、最高温度は35度前後に落ち着くことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに研究が進んでおり、特に障害となる事柄はないと思われる。2019年度に実施した研究内容については、学術論文 Land に投稿する準備を始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度から実際に防除試験に入る予定で、防除効果の改善に取り組むとともに、実用化に向けて共同開発する企業を募集する予定である。
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