2020 Fiscal Year Research-status Report
静電場を利用した雑草繁殖抑制システムの開発と静電ハービフェンスへの応用
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19K06299
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
松田 克礼 近畿大学, 農学部, 教授 (30268453)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 蔓性雑草 / 葛 / 静電気 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、野外に設置するハービフェンスの条件を調査し、試作器の作製と野外試験を実施した。パルス式高圧電源は、1回 / 秒および3回 / 秒の印加電源を使用した。その結果、1回 / 秒の電源で十分にクズに対する抑制効果を確認できた。次に、野外に設置する際に太陽光電池を利用するため、市販の電気牧柵器の適用を試みた。市販されている電気柵の消費電力は小さく、太陽電池からの入力で長時間の抑制効果を確認できた。また、電気伝導度の異なる電極については、トワロン株式会社の素材が有効であり、その作製と提供を依頼した。現在、得られた抑制効果に対して、その耐久性や安全性を検討している。高電圧を利用するとイオンだけでなく、有害なオゾンも生成される。そこで、電離イオンおよびオゾン濃度を測定した。その結果、プラスイオン、マイナスイオンともに検出されず、問題と考えていたオゾンも検知されなかった。その要因としては、高電圧は利用しているが、パルス式であるため検出限界以下になると判断した。オゾンの生成がないことから雑草以外の植物に対して影響を与える心配がなく、野外への設置が可能となった。今後、近畿大学農学部の圃場および里山へ適用し、近畿大学付属農場のミカン園にも設置する予定である。懸念していたオゾンの生成についても問題が解決されたことから、令和2年度の研究内容については、学術論文として国際ジャーナルに3報を投稿し、既に掲載されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
懸念していたオゾンの生成についても問題が解決され、当初の予定通りに進んでいる。令和2年度の研究内容については、学術論文として国際ジャーナルに3報を報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、装置の実用化を目指して、大学の圃場に設置して効果を確認するとともに、大学の付属施設である湯浅農場に設置し、実用化における問題点を解決する。
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Causes of Carryover |
当該年度に計画した研究は完了したので、次年度の研究計画を再度見直し、一段階精度の高い測定器の購入に利用することとした。
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Research Products
(4 results)