2020 Fiscal Year Research-status Report
UAVハイパースペクトルリモートセンシングによる水稲の生育診断技術の開発
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19K06305
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗原 純一 北海道大学, 理学研究院, 特任准教授 (00578479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 亨 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 農業研究本部 中央農業試験場, 研究主任 (70462380)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リモートセンシング / 精密農業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究代表者が開発したUAVに搭載可能な狭帯域のハイパースペクトルカメラを用いた観測により、水稲の生育状態を高精度で診断する技術を開発することを目的としている。具体的には、①北海道立総合研究機構・中央農業試験場・岩見沢試験地の栽培技術開発試験圃場において、区画ごとに栽培される品種・育苗様式・栽植密度・施肥の異なる水稲をUAVから高頻度・高空間分解能でハイパースペクトル観測する手法を確立する、②観測された水稲の反射率スペクトルと、計測された水稲の肥料吸収率、収量および食味(タンパク含有率)等との相関を調査し、その関係を明らかにする、③3年間の生育診断結果を比較検討することで、各年の気象要因などによる推定のばらつきについて評価し、高精度の推定式を導出する、の3つのサブテーマに分かれている。 2019年度はUAVの故障により十分な観測ができなかったが、2020年度は幼穂形成期から収穫期にかけて、約7日間隔の高頻度での観測を計9回実施することができた。これによって、テーマ①の観測手法の確立については達成することができた。その後、観測データの解析から、テーマ②の水稲の反射率スペクトルと肥料吸収率等との相関の生育ステージに伴う変動を捉えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度はUAVの故障等により十分な観測が行えなかったが、その経験を活かすことで2020年度は観測装置の故障や不具合もほとんど発生せず、発生しても短期間で復旧することができた。また、天候にも恵まれたため、観測を予定通りに実施することができ、目標としていた高頻度での観測データを取得することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の高頻度観測データを解析することで、水稲の反射率スペクトルと肥料吸収率等との相関について生育ステージによる変動を捉えることができた。2021年度も観測方法に改良を加えながら同様の観測を実施することで複数年のデータを蓄積し、各年の気象要因などの影響について研究を進めたい。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の拡大に伴い、発表を予定していた学会が中止になったため。次年度の学会発表を増やす計画である。
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