2021 Fiscal Year Annual Research Report
NIR3.0にむけたAIを活用した分光ビッグデータの解析手法の確立
Project/Area Number |
19K06308
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
源川 拓磨 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 主任研究員 (10571698)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スペクトル解析 / 機械学習 / データクレンジング / AI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,スペクトルデータ向けのデータクレンジング法を開発し,モデルデータおよび実サンプルデータでの機械学習に適用し,データクレンジングの適用の有無による解析結果の差異を明らかにする。最終年度(2021年度)の研究実績の概要は以下のとおりである。 異常サンプルの検出:開発したデータクレンジング法を用いて異常サンプルの検出を試みた。モデルサンプル(糖濃度を段階的に調整した水溶液)の近赤外スペクトルに測定ミスを起こすことで意図的に歪ませたスペクトルを混入させ,これにデータクレンジング法を適用した。その結果,意図的に歪ませたスペクトルデータを異常サンプルとして検出することができた。これはデータクレンジング法によって正常なスペクトルデータでは高い線形関係が得られる一方で,意図的に歪ませたスペクトルデータはこの線形関係から大きく外れるために異常サンプルとして検出されると考えられた。 分光イメージングのスペクトルデータへの適用:開発したデータクレンジング法の汎用性を評価するために分光イメージングのスペクトルデータへの適用を検討した。分光イメージングの解析において試料輪郭の抽出を効率的に行うために,データクレンジング法のアルゴリズムを一部変更して,ベースライン変動を補正しつつ第1主成分の寄与率を最大化するデータクレンジング法を開発した。検証用のモデルサンプルとして小麦粉を詰めたガラスシャーレを用いた結果,データクレンジング法を適用することによって試料部分と背景部分とを明瞭に識別可能となることが確かめられた。 以上の結果から,開発したデータクレンジング法が異常サンプルの検出および分光イメージングのスペクトルデータの解析にも有用であることが示された。
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