2019 Fiscal Year Research-status Report
コンピュータシミュレーションによる散乱性被覆資材の有効性の検討
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19K06310
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石神 靖弘 高崎健康福祉大学, 農学部, 准教授 (50361415)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 温室 / 光学シミュレーション / 受光量 |
Outline of Annual Research Achievements |
温室内の光環境は温室内作物の光合成、成長に大きな影響を及ぼす。近年、温室において均一な光環境を得ることを目的として散乱性の高い被覆資材を用いる例が増えている。しかしながら、光環境の改善効果は温室の立地、季節、作物の形状によって異なり、散乱性資材の効果的な使用方法については依然、体系的な解答は得られていない。これらの効果を評価するには、実際に温室内に入射する光、さらに植物が受光する光を正確に把握する必要がある。本研究では、温室および植物体の3次元モデルを作成し、コンピュータシミュレーションにより温室内の光環境を詳細に推定可能な手法を開発する。ここに、被覆資材の光透過特性を入力することにより、様々な季節、作物の形状に応じた散乱性被覆資材の有効性について検討することを目的とする。 本年度は被覆資材について、透過光の散乱特性を把握するために、球状の測定装置を自作し、ある方向から照射した光が、どの角度にどの程度透過するかを計測した。自作した球状の測定装置の内側に小型の光センサー(フォトダイオード)を設置し、レーザー光源を用いて、測定対象の資材(フィルム)に照射し透過光を測定する。測定した透過光の角度分布から資材の透過特性(双方向散乱分布関数)を得た。大学内に保有する実験温室(床面積200 m2)を再現する3次元モデルを作成した。作成には市販の3次元モデルソフトを用い、大きさ、構造資材の配置を再現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
異動に伴い、温室の新規建設される段階であったため、温室内での測定および植物の栽培ができなかったため、それらのデータを用いた解析等ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
温室3次元モデルに植物3次元モデルを組み込み、実際の栽培温室を再現する。さらに、さまざまな時期における光環境の実測と推定を行い、精度の検証を行う。 植物を栽培している温室内に光センサー(日射計)を設置し、水平方向、垂直方向に光強度の分布を多点計測する。また、トマト群落の葉面上に小型の光センサー(フォトダイオード)を設置して、植物体の代表点における光強度を算定する。この計測データをもとに、上記の推定結果の検証を行う。
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Causes of Carryover |
異動に伴い、試験に用いる温室が建設される段階であったため、予定していいた温室内での計測および解析の一部が行えなかったため。
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