2019 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を活用した分光反射特性からの茶樹生葉の品質・ストレス評価
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19K06313
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
薗部 礼 静岡大学, 農学部, 助教 (40755352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣野 祐平 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 主任研究員 (10391418)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分光反射特性 / 機械学習 / クロロフィル / テアニン |
Outline of Annual Research Achievements |
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門金谷茶業研究拠点(静岡県島田市)が所有する圃場に定植されていたチャノキ(Camellia sinensis)およびダイオ化成黒色カラミ織(ダイオネット)を使用して,直がけ被覆栽培を行った。 テアニン含量および光合成色素含量は,品質もしくは光環境ストレスを評価する上で有効である。そこで,サンプリングした茶葉からリーフパンチ(藤原製作所製)を用いて,直径8.0mmのリーフデスクを作成した。この後,N,N-ジメチルホルムアミドを用い葉内の成分を溶かし,紫外可視分光光度計(UV-1280, Shimadzu, Japan)による出力結果にWellburn式を適用することによって,クロロフィルa,bおよびカロテノイド含量を計測した。また,手鋏みで前年秋整枝面より5 mm程度上で20 cm四方の枠摘みをし,オルトフタルアルデヒドを用いた高速液体クロマトグラフィーによってテアニンの定量を行った。分光反射特性の計測にはリーフクリップを接続したFieldSpec 4 (Analytical Spectral Devices Inc., USA)を用い,波長350から2500nmにおける反射率を取得し,分光反射特性と機械学習アルゴリズムに基づく推定モデルを作成した。 また,遮光率が生理的特性および構造にも変化を与えることに加え,個葉スケールから圃場スケールへと拡大していくため,合成開口レーダデータの活用を検討し,作物の構造の違いを識別する際に活用できるかを評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
テアニン含量を評価する分光反射指数として,1735 nmにおける反射率と1755 nmにおける反射率の差(D (1735, 1755))を提案することができた。また,クロロフィル含量の推定にはKernel-based Extreme Learning Machine (KELM)の活用が有効であることを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
個葉スケールから圃場スケールへと拡大するため,ドローンによるハイパースペクトルデータの取得・解析を行う。また,分光反射特性と植物の生化学および構造の関係をより明らかにするため,放射伝達モデルの活用を検討する。
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Causes of Carryover |
年度末に新型コロナの影響を受けたため.
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