2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of storage technique for promoting functional component contents in tomato fruits
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19K06318
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高橋 憲子 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (80533306)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リコペン / 非破壊計測 / 近赤外分光法 / ニューラルネットワークモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近赤外分光法を用いてトマト果実のリコペン含量を連続的に非破壊計測し、リコペン生成に最適に貯蔵環境を制御することにより、1果実あたりのリコペン含量を15 mg以上に増加させることを目的とし、収穫時のトマト果実の近赤外分光の波長特性からトマト果実のリコペン含量を増加させるための最適な貯蔵環境を決定するモデルを確立した. 供試材料には、愛媛大学太陽光利用型植物工場で栽培されているトマト果実(りんか409, 定植:2020/9/8)を用いた.貯蔵期間は14日間とした.貯蔵温度は5、15、25、35 ℃に設定した.測定は貯蔵前(0日目)と貯蔵後( 2、4、7、10、14日目)に破壊測定と非破壊測定を行った.破壊測定ではトマト果実の硬度とリコペン含量、非破壊測定では新鮮重と可視・近赤外スペクトルの測定を行った.その結果、貯蔵期間後のリコペン含量は、25 ℃で大きく増加し、貯蔵前の5 mgから貯蔵後7日目で20 mg、14日間で25 mgと約5倍増加した. 次に、貯蔵前のスペクトルデータと貯蔵日数から貯蔵後のリコペン含量を推定するモデルを作成した.回帰モデルにはニューラルネットワークを用いた.入力層は0日目のスペクトルデータと貯蔵日数、出力層は貯蔵後のリコペン含量を用いて推定モデルを作成した.このモデルを用いてテスト用データでモデルの検証を行った結果、決定係数R2 = 0.99、平均二乗誤差RMSE = 0.68となった.以上の結果から、本研究で開発されたモデルを用いることで、貯蔵前のスペクトルデータと、リコペン含量を増加させるために必要な貯蔵日数から、貯蔵後のリコペン含量を推定できることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験は順調に達成し目的とする結果が得られたが、研究成果として2020年にニュージーランドで開催予定であったInternational Postharvest Symposiumがコロナの影響で2024年に延期になり成果報告が困難なため。
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Strategy for Future Research Activity |
達成されていない成果報告については、2022年に開催予定の国際学会で成果発表を行う予定である。また、成果発表を行った後に、国際誌に論文を投稿予定である。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で国内学会及び国際学会で発表予定の旅費が未使用のため。
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Research Products
(2 results)