2021 Fiscal Year Annual Research Report
サフラン柱頭組織を分化誘導する培養条件の解明と分化組織の光透過選抜法の開発
Project/Area Number |
19K06324
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
角谷 晃司 近畿大学, 薬学総合研究所, 教授 (10257983)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サフラン / 柱頭組織 / 開花制御 / 光透過選 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度では、サフラン柱頭組織を分化誘導する培養条件を明らかにしたところ、花茎組織切片の限られた特定部位で誘導される傾向が明らかした。柱頭組織への分化には、6-benzylaminopurine(BAP)と1-naphthaleneacetic acid(NAA)の植物ホルモンを組み合わせが必須で、その培養条件を明らかにした。さらに、令和2年度では、サフランの開花は一定期間に一斉に起こるため、サフラン球根の低温処理を行うことで、9月から12月の間で順次開花できる制御条件を明らかにした。このように、柱頭組織を安定に供給できることから、本年度は、花茎切片の限られた部位を効率的に選抜するための光透過選抜法について調査した。今回、柱頭組織を分化する花茎組織切片に、300nm~700nmの光を照射した照射したところ、400~480nm付近で吸収がみられた。また、青(475nm)、緑(525nm)および赤(630nm)の単波長を照射したところ、緑および赤光は透過したが、青光において吸収が確認されたころから、特定の波長を照射することにより、分化誘導に適した切片部分を選抜することができた。また、花茎組織切片の色素成分を分析したところ、微量のカロテノイド成分の生成が確認されたことから、カロテノイドの吸収波長である430~480nmの青光が、柱頭組織を誘導する花茎組織の選抜に適していると考えられた。今回明らかにした条件は、これまで、広大な栽培面積と収穫のための多大な労力が必要であった栽培と収穫作業を、植物培養技術ならびに光透過選抜法を活用することによって柱頭様組織を大量に生産することかできる。
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