2021 Fiscal Year Research-status Report
モンゴル国の重金属汚染の拡大と畜産食品のリスク:簡易調査手法の確立を目指して
Project/Area Number |
19K06337
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
戸敷 浩介 宮崎大学, 地域資源創成学部, 教授 (00542424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長命 洋佑 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (10635965)
内藤 博敬 静岡県立農林環境専門職大学, 生産環境経営学部, 准教授 (30254262)
劉 庭秀 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (70323087)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 重金属汚染 / 遊牧 / 乳製品 / モンゴル国 / 簡易調査手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,モンゴル国の都市化・工業化により,一部の地域で土壌や家畜の血液中の鉛濃度が高かったことを受けて,遊牧形態の畜産業で生産されるミルクや乳製品に対する鉛の含有量について調査し,畜産製品を通した鉛のリスクについて現状を調べることと、モンゴル国における畜産食品の鉛のリスクに関する簡易調査手法について検討するものである。 しかし,2020年に引き続き、2021年度も新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響を受けて,モンゴル国への渡航が不可能であった。 そこで本研究は,一年間の延長を見据え、研究グループ内で先行研究,特にモンゴル国の環境中における重金属に関する研究や,その他の開発途上国における同様の先行研究事例などを調べて,2022年度以降の研究計画について検討した。2022年度以降の研究活動については、徐々に海外渡航が緩和されることが見込まれるため、現地調査を中心に検討した。具体的には、現地の研究協力者を通して、ミルクや乳製品のサンプリング先の確保と、サンプリング方法等について検討した。また、血中鉛測定器を用いたミルク中の鉛濃度の測定方法についても検討した。このほか、モンゴル国の遊牧民が遊牧家畜のミルクを用いて作るアーロール(チーズのような乳製品)に鉛が移行している可能性を踏まえ、鉛を添加したミルクを用いてアーロールを試作し、アーロール中の鉛濃度の測定方法について検討した。モンゴル国では、アーロールのほかにも様々な乳製品が作られており、遊牧民や市民にも広く食されていることから、その他の乳製品についても検討していくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、研究フィールドであるモンゴル国に渡航して実施する調査・研究が主であるが、2021年度も新型コロナウイルス感染症の世界的流行から、渡航ができなかった。このため、研究開始当初の計画の通りにはほとんど進められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度については、海外渡航の規制が緩和されることが見込まれる。そこで、2022年度は渡航して遊牧家畜の乳や乳製品等をサンプリングし鉛濃度を測定する。また、以前鉛濃度が高かった地域を中心に現在の土壌中鉛濃度についても確認する。
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Causes of Carryover |
本研究では、3年間の研究期間のうち後半2年間で新型コロナウイルス感染症の世界的流行が起こり、モンゴル国への渡航を断念せざるを得なかった。このため、当初の計画通りに旅費を使用していない。そこで、当初の研究期間を1年間延長し、2022年度では、モンゴル国への渡航費、血中鉛濃度測定器の消耗品などに使用する。
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