2023 Fiscal Year Research-status Report
カチオン吸着性微細藻類カプセルによる金属イオンの制御
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19K06347
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
高橋 利幸 都城工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (50453535)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 水圏バイオマス利用 / 微細藻類 / バイオソープション / 元素分析 / 吸着等温線 / サイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、化学的な凝集沈殿法に替わる重金属類の回収法として、微細藻類による生物吸着を用いた方法の開発を目的にした。過年度の藻類含有カプセル(アルギン酸カプセル)を使った吸着実験では、カプセル素材自体の影響が反応初期に強く出る可能性が示された。さらに、微細藻類への金属吸着処理後に、微細藻類の細胞状態の変化が起こることが分かった。 上記を踏まえ、昨年度は微細藻類のクロロフィル由来の自家蛍光を利用して、藻類細胞の状態の変化を評価する方法を開発した。しかし、藻類の自家蛍光だけでは、把握できる情報が限られる。そのため、今年度は、同じく藻類細胞の状態変化を評価する方法であるが、特定の生体分子と反応する蛍光色素を利用した方法を検討した。植物や微細藻類の場合は、光合成色素などの自家蛍光物質が観察目的の蛍光色素の蛍光観察を邪魔したり、観察フィルターが重複するため、実質的に観察できない波長が生じる等の場合がある。また、藻類細胞には細胞膜の上に細胞壁があるため、細胞へ透過できる分子の分子サイズや分子極性は動物細胞より複雑になる。実際に、培養細胞等の動物細胞では透過する蛍光色素でも、藻類細胞では観察に使用できない色素が複数知られている。したがって、藻類の自家蛍光に無干渉(または低干渉)で、かつ、藻類の細胞膜や細胞壁を容易に透過できる蛍光試薬が必要である。今回、細胞透過性が高く、藻類細胞のクロロフィル蛍光の観察に邪魔にならない蛍光色素を選択し、その適用濃度や処理法を検討した。今年度の検討の結果、微細藻類を当該蛍光試薬で標識後、蛍光顕微鏡観察、自動セルカウンター法やフローサイトメトリー法などで藻類細胞を観察・評価可能な蛍光試薬を選定できた。現在、研究成果の一部を論文発表用にデータ整理中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度に新型コロナウイルス感染症関連の規制の多くが撤廃されたものの、所属機関内では当該規制とコロナ禍前の対応が並行実施されるようになり、業務過多となった。その結果、予定通りの研究の進行が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を通して、微細藻類の生理状態により、金属イオン吸着以外の挙動が起きることが明らかになり、また、目的である吸着だけに反応を安定化させる方法もおおむね検討がついた。さらに、微細藻類の細胞状態の変化を評価・把握できる手法を複数確立した。 一方、現在までの微細藻類の細胞状態変化の評価は、評価法を確立するために、微細藻類の状態変化が起き得ると想定されるモデルケースで実験を行っており、金蔵イオン吸着処理条件とは異なる操作・実験環境での評価である。今後、金属イオンの吸着処理と微細藻類の状態変化の関連性を明らかにする必要がある。また、微細藻類に一度吸着した金属イオンを脱離させる方法を検討する。
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Causes of Carryover |
昨今の為替変動による大幅な価格高騰により、当初計画での物品購入が難しくなった。当初計画から縮小して購入した結果、わずかに残額が発生した。
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Research Products
(3 results)