2021 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリの抱卵期における自発的低エネルギー状態への適応戦略の解明
Project/Area Number |
19K06350
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大久保 武 茨城大学, 農学部, 教授 (70233070)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | レプチン / CPR / 視床下部 / ニワトリ |
Outline of Annual Research Achievements |
孵化後1週間のニワトリメスヒナにレプチンを腹腔内投与し、24時間後に肝臓を採取してレプチン、レプチン受容体及びCRPの各mRNA発現をRT-qPCRにて解析した。その結果、腹腔内への高濃度(250ug/kg体重)のレプチン投与によりレプチン受容体発現は増加する傾向を認めたが、その変化は有意ではなかった。また、CRP mRNA発現はレプチン投与により変化は認められず、昨年度実施したLMH細胞を用いて得られた結果とは異なっていた。 また過食でありながら肥満を呈さないロードアイランドレッドでは絶食により脳内CRP発現が増加することが示されているため、異なる卵用鶏である白色レグホーンのヒナを用いて絶食が視床下部のCRP及びレプチン発現に及ぼす影響について検討した。6時間の絶食によりCRP発現は変動しなかったが、24時間の絶食ではCRP発現は有意に減少した。この結果は通常のロードアイランドレッドを絶食させたときの結果と類似していた。一方、絶食は脳内レプチン発現を変化させなかった。またロードアイランドレッドでは、系統により絶食に伴う脳内CRP発現が異なるが、このような系統間でのCRPの反応の違いは胚時期の摂食回路形成と関連する可能性がある。また哺乳類では、胎児期の摂食回路の形成にレプチンが関与する。そこで、発生後期の白色レグホーン視床下部におけるCRPとレプチン発現について経時的に解析した。視床下部のレプチン発現は孵卵16日から孵化まで経時的に増加し、孵化後3日目まで高い発現が維持された。一方CRP発現はレプチンと同様に孵卵16日から孵化まで経時的に増加する傾向を示したのちに、餌付け開始後にはその発現が低下することを認めた。
|
Research Products
(1 results)