2019 Fiscal Year Research-status Report
ウシ脂肪交雑形成に関連する遺伝子発現変動の原因変異の同定
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19K06351
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山田 宜永 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40253207)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脂肪交雑 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
mRNAレベルでの発現変動との関連の解析、タンパク質レベルでの発現変動との関連の解析、転写活性に対する影響の解析、核タンパク質との結合性に対する影響の解析といった機能解析を行うために必要なサンプルの採取・選抜を行った。 屠殺時の黒毛和種去勢雄牛における尾根部仙尾骨筋は、最長筋の脂肪交雑形成レベルと関連する脂肪組織蓄積量を示し、脂肪交雑形成に影響する遺伝子発現変動を解析するためのサンプルとして利用できる。こうして、屠殺時の黒毛和種去勢雄牛の尾根部仙尾骨筋を、EDG1多型、TTN多型の機能解析のためのサンプルとして採取した。さらに、これらの尾根部仙尾骨筋からゲノムDNAを抽出し、以前確立したPCR-RFLP法により、EDG1多型、TTN多型のタイピング(遺伝子型判定)を行った。タイピングデータに基づき、EDG1多型、TTN多型のそれぞれについて、3つの遺伝子型群のサンプル、高脂肪交雑形成と関連する対立遺伝子である高脂肪交雑アリル(EDG1多型ではTアリル、TTN多型ではTアリル)のホモ型群(高脂肪交雑アリルホモ型群)、低脂肪交雑アリル(EDG1多型ではGアリル、TTN多型ではCアリル)のホモ型群(低脂肪交雑アリルホモ型群)、両アリルのヘテロ型群を選抜した。 また、mRNAレベルでの発現変動との関連の解析を行うために、選抜したサンプルからトータルRNAを抽出した。タンパク質レベルでの発現変動との関連の解析を行うために、選抜したサンプルからライセートを調製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、EDG1遺伝子、TTN遺伝子のプロモーター領域に位置するDNA多型(EDG1多型、TTN多型)を、それぞれの遺伝子の発現変動の原因変異として同定するために、サンプルの採取・選抜を行い、選抜サンプルを利用することで、mRNAレベルでの発現変動との関連の解析、タンパク質レベルでの発現変動との関連の解析、転写活性に対する影響の解析、核タンパク質との結合性に対する影響の解析といった機能解析を行うという計画になっている。EDG1遺伝子、TTN遺伝子の遺伝子頻度からみて、サンプルの選抜に多大な労力を要すると考えていたが、1年目の段階でサンプル入手ができたことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
えられたトータルRNAを用いたリアルタイムPCRにより、EDG1、TTNのそれぞれのmRNAレベルを解析する。えられたmRNAレベルの定量データとタイピングデータを用いて、EDG1多型、TTN多型とそれぞれの遺伝子のmRNAレベルとの相関を解析する。このような解析により、EDG1多型のTアリル、TTN多型のTアリルが、それぞれEDG1のmRNAレベルでの発現増加、TTNのmRNAレベルでの発現減少と関連することを明らかにする。 また、えられたライセートを用いたウエスタンブロッティングにより、EDG1、TTNのそれぞれのタンパク質レベルを解析する。えられたタンパク質レベルの定量データとタイピングデータを用いて、EDG1多型、TTN多型とそれぞれの遺伝子のタンパク質レベルとの相関を解析する。このような解析により、EDG1多型のTアリル、TTN多型のTアリルが、それぞれEDG1のタンパク質レベルでの発現増加、TTNのタンパク質レベルでの発現減少と関連することを明らかにする。
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Research Products
(4 results)