2020 Fiscal Year Research-status Report
Availability of autumn-saved dwarf napiergrass pasture for foggage grazing use as one of year-round grazing use
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19K06371
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
石井 康之 宮崎大学, 農学部, 教授 (50211032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井戸田 幸子 宮崎大学, 農学部, 教授 (40325733)
石垣 元気 宮崎大学, 農学部, 講師 (80584573)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 暖地型牧草矮性ネピアグラス / 繁殖牛放牧 / 霜枯れ草 / 秋季休牧(ASP) / 周年放牧 / 日増体量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,矮性ネピアグラス草地の夏季生育期間と秋季休牧後の冬季霜枯れ期間の放牧適性を2017~2020年度に調査し,黒毛和種繁殖牛・育成牛の周年放牧適性を検討した. 宮崎大学農学部附属住吉フィールドに,ネピアグラスDLおよび7734を,2016~2018年にかけて栄養苗を移植して各々4反復区造成した.夏季の放牧前,放牧期間中および放牧後に,3回に分けてN:P:K の成分量で年間16.8 g/m2を施用したが,補助飼料は給与しなかった.2017~2020年の夏季生育期間は56~59日間に2周期にて,冬季霜枯れ期間は28~42日間に1周期にて輪換放牧を実施した.黒毛和種雌牛3頭を2018年度では育成牛,他の3か年度は繁殖牛(経産牛)を供試し,各年度の夏季/冬季の放牧前後に草高,茎数,模擬被食草の生体重,部位別乾物重を調査し,冬季の放牧では入牧後2時間の行動調査を行った. 2020年度の夏季生育期間の放牧では,2周期目が1周期目より草量が低下し,冬季霜枯れ期間では夏季1周期目と同等の草量があった.放牧後の残存草量は70~80 g DM/m2前後で,乾物摂取量と日増体量との間には有意な関係は見られなかった. 4年間を通じて,繁殖牛の放牧では,夏季の平均日増体量(DG,kg/頭/日)は0.79,0.63,0.66,冬季では各々0.71,-0.27,0.63 であり,2019年度の冬季を除き概ね増体した.一方育成牛を供試した場合,DGは夏季では-0.24,冬季では-0.44で負となった.冬季霜枯れ期間では,放牧回次の進行につれ,矮性ネピアグラスの採食時間割合が増加した. 本研究により,矮性ネピアグラス草地を夏季生育期間と冬季霜枯れ期間に,黒毛和種繁殖牛を年間3か月(89~98日)間飼料補給なしで輪換放牧利用でき,日増体量は2019年度の冬季を除き0.6~0.8 kg/頭/日が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に掲げるように,夏季と冬季の黒毛和種繁殖牛3頭の輪換放牧により,矮性ネピアグラス草地への周年放牧の可能性を,4カ年に亘り検討できた。冬季放牧時に,放牧牛の体重維持が認められなかった年次については,草量,飼料品質などの分析を行い,その要因を今後検討していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年(2021年)度には,得られた放牧試験区の飼料品質の分析を行う。次いで,矮性ネピアグラス草地の降霜に伴う霜枯れの進行を経時に観察するとともに,霜枯れに伴う葉身の含水率の低下を計測する予定である。 また,予備的な観測となるが,隔測による葉身中の水分含量の低下を測定することにより,霜枯れ草放牧期間の開始時期を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
令和2年度(2020年度)は,放牧試験の実施を主として行ったため,飼料成分の分析が実施できなかった。そこで,2021年度は飼料成分の分析を進め,この残額を支出したいと考えている。
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Research Products
(4 results)