2020 Fiscal Year Research-status Report
Molecular mechanisms of thrombocytopenia in canine babesiosis
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19K06378
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
大塚 弥生 岩手大学, 農学部, 客員准教授 (30396303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 真大 岩手大学, 農学部, 教授 (40322846)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バベシア症 / 血小板減少症 / 分子病態 / 抗血小板抗体 / 血小板抗原 / 血小板活性化因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
バベシア(Babesia gibsoni)感染犬血清中の抗血小板抗体と反応する血小板抗原タンパク質が、B. gibsoni原虫由来のタンパク質と相同性の高い分子であると仮定し、初年度、両者に共通の構造をもつタンパク質があるかどうか、感染犬血清と反応する血小板膜タンパク質についてLC/MS解析にて同定を試みた。数種のアクチンネットワーク系の細胞骨格タンパク質や血小板活性化因子などが同定されたため、それらが原虫由来のタンパク質と相同性があるかどうか、Piroplasma Database(Piroplasma DB:https://piroplasmadb.org)にてB. gibsoni原虫と近縁のB. microtiおよびB. bovis 原虫のデータを基に検索したところ、いくつかの未知の機能を持つタンパク質が候補として得られた。その遺伝子配列を基にB. gibsoni原虫のタンパク質のクローニングを行うこととした。原虫感染赤血球enriched画分をPercoll液を希釈した1.080 g/dlおよび1.115 g/dlの2層による勾配による密度勾配遠心法により得、RNAを抽出した。RACE法を利用し上述の分子のクローニングを行ったが、B. gibsoni原虫のゲノム配列が公表されていないため、特異的プライマーの設計に困難を極めたため、別途、B. gibsoni原虫のゲノムシークエンスを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
B. gibsoni原虫由来RNAを用いて、RACE法にて未知の分子のクローニングを行っているが、B. gibsoni原虫のゲノム配列が公表されておらず、本方法で活用できる原虫特異的なプライマーが設計できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、別途Babesia gibsoni原虫のゲノムシークエンス解析を行っている。候補原虫タンパク質の組み換えタンパク質を作成し、研究を進める予定であったが、並行して血小板活性化因子の探索を行う予定である。本年度はBabesia gibsoni原虫感染犬の血漿を収集するため、開業獣医師に研究協力を要請しており、サンプル数がそろった時点で研究に供する。血小板活性化因子は市販のELISA kitを使用する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度予定していたリコンビナントタンパク質作成のための試薬購入を行えなかったことと研究に用いるためのELISAキットの納期が新型コロナウイルスの影響で遅れていることから、次年度へ繰り越し、研究資金に充てることとなった。
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Research Products
(1 results)