2021 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of thrombocytopenia in canine babesiosis
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19K06378
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
大塚 弥生 岩手大学, 農学部, 客員准教授 (30396303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 真大 岩手大学, 農学部, 教授 (40322846)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Babesia gibsoni / 血小板減少症 / 熱ショック蛋白質70 / 抗血小板抗体 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Babesia gibsoni原虫感染症における血小板減少症発症機序の解明をめざし、『B. gibsoni原虫の熱ショック蛋白質70をはじめとする原虫由来蛋白質がトリガーとなり発生する様々な生体内の感染防御反応がバベシア症の血小板病態にも重要な役割を担っている』という見解・予測のもと、以下の研究を行った。 B. gibsoni原虫と同じ胞子虫網に属するマラリア原虫感染において、血管内皮細胞から放出されるVW因子や炎症性サイトカインが血小板凝集を引き起こし、その結果血小板大量消費と血小板減少症が起こることが実証されている。そのため、本年度はB. gibsoni急性感染犬における血小板活性化分子の同定を試みた。 実際にダニによる吸血により本症を発症したB. gibsoni急性感染犬の臨床サンプルを集めるため、初年度から協力機関に依頼した。動物病院に来院した計25頭の感染犬の血清が得られた。全ての感染犬で血小板減少が認められた。以下の10種類のサイトカイン、インターロイキン(IL)-2、IL-6、IL-8、IL-10、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、単球走化性因子1(MCP-1)、後期糖化反応生成物(AGE)特異的受容体(RAGE)、幹細胞因子(SCF)、Tumor Necrosis Factor (TNF)-α、血管内皮増殖因子(VEGF)を測定し比較した。その結果、B. gibsoni急性感染犬血清において、IL-8値の顕著な上昇が観察された。IL-8(CXCL8)は、CXCファミリーの炎症性ケモカインとして知られ、食作用の誘導にも作用することが知られる。一方、IL-8の上昇率とB. gibsoni寄生率や血小板数・貧血指数との相関は認められなかった。また現在、エイコサノイドのトロンボキサン (TX) B2について測定・解析中である。
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