2021 Fiscal Year Annual Research Report
オルガノイド培養を用いた犬に特有な乳癌発症機構の解明と癌幹細胞標的療法の基盤構築
Project/Area Number |
19K06391
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
道下 正貴 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (50434147)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乳腺腫瘍 / 犬 / オルガノイド / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
犬の乳腺腫瘍は、ヒトや猫の乳腺腫瘍ではみられない組織亜型が存在し、筋上皮細胞増殖、骨および軟骨増殖を示す特有の腫瘍が形成される。しかし、それらの亜型の腫瘍発症機構は未だ解明されていないが、癌幹細胞の関与が示唆されている。癌組織は自己複製能、多分化能を持つ癌幹細胞を根源とした不均一かつ多様な細胞集団を形成し、癌幹細胞は癌発症に重要な役割を果たしている。さらに炎症性乳癌は現在確立した治療法がなく、獣医療における重要な研究課題の一つである。本研究の目的は、癌幹細胞を基軸とし、犬の乳癌の病態発生機構の解明および癌幹細胞を標的とした新規治療法の基盤の構築である。それゆえ、本研究では、癌幹細胞から形成されるオルガノイドの特性解析および薬剤スクリーニングを遂行する。本研究成果は、犬に特有な乳癌の発症・病態機構を解明でき、さらに獣医療における癌幹細胞標的治療法の基盤を構築し、獣医療における革新的な治療戦略の展開が期待できる。 本研究では、乳腺腫瘍由来の三次元オルガノイドの特性解析を遂行し、形成されたオルガノイドはいずれも球状ないし不整形の形状を示し、組織学的には管腔形成、充実性増殖を示した。オルガノイドは、免疫組織学的にCK18およびp63に陽性を示した。形成されたオルガノイドは、腺上皮細胞および筋上皮細胞から構成されており、生体の乳腺組織を模倣していた。また、2次元培養では株化細胞の樹立が困難な過形成、腺腫においてもオルガノイド培養に成功した。
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Research Products
(20 results)
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[Presentation] FGFR4 inhibitor BLU9931 induces cellular senescence in pancreatic ductal adenocarcinoma cell lines promoting sensitivity to senolytic therapy2021
Author(s)
Norihiko Sasaki, Fujiya Gomi, Hisashi Yoshimura, Masami Yamamoto, Yoko Matsuda, Masaki Michishita, Hitoshi Hatakeyama, Yoichi Kawano, Yoko Itakura, Masashi Toyoda, Murray Korc, Toshiyuki Ishiwata
Organizer
米国癌学会(AACR2021)
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