2020 Fiscal Year Research-status Report
経腟投与を基盤とした牛の新たな卵胞発育制御技術の開発
Project/Area Number |
19K06400
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
遠藤 なつ美 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40726684)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経腟投与 / 発情誘起 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の酪農現場で課題となっている乳牛における卵巣障害の増加や受胎性低下への対処策として、プロスタグランジンF2a(PG)やエストラジオール(E2)等の投与による発情・排卵誘起法へのニーズが高まっている。本研究では、経腟投与可能な徐放基剤の組み合わせにより生理的なホルモン分泌様式に匹敵する徐放パターンを作出し、卵胞発育や発情への影響を解明することを目的に以下の実験を行った。 PGの経腟投与による黄体退行-発情誘起効果の検証実験では、黄体期中期のヤギに以下の5種類の処置を行った。(1)IM2mg群(n=6):PG製剤2mgを筋肉内単回投与、(2)IVG2mg(n=7):PG製剤2mgを腟深部に単回投与、(3)IVG4mg(n=7):PG製剤4mgを腟深部に単回投与(4)2IVG2mg(n=6):PG製剤2mgを腟深部に8時間間隔で2回投与、(5)2IVG1mg(n=8):PG製剤1mgを腟深部に8時間間隔で2回投与を行う。投与後2日までに血漿中プロジェステロン濃度が0.5ng/mL未満になった頭数はIM群では6頭中6頭(100%)、IVG2mg群では7頭中2頭(28.6%)、IVG4mg群では7頭中4頭(57.1%)、2IVG2mg群では6頭中6頭(100%)、2IVG1mg群では8頭中6頭(75%)であり、単回経腟投与では黄体の退行効果は低いものの、間欠投与を行うことで黄体退行効果が向上することが明かとなった。 タイムラグ溶出するE2徐放剤(TL)による発情・排卵誘起効果の検証実験では、黄体期のヤギに対してPG投与後24hに、IM群(n=6)には1mgのE2を筋肉内注射し、TL群(n=6)にはPG投与と同時にTLを腟内投与した。対照群(n=6)にはPG投与のみ行った。供試した全個体で発情が認められ、IM群と類似した発情誘起効果が得られることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、予定した実験計画に沿って実験を進めており、おおむね順調にデータの採取ができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画で予定していた最後の実験:NK3受容体作動薬のパルス状投与による卵胞発育促進効果の準備を進めているが、パルス状投与の徐放剤を作成することが技術上難しいため、持続投与での検証を進めて行き、投与効果を研究期間内に明かにする予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、学会発表に参加することができず旅費の支出がほとんど生じなかったため。次年度は参加可能な学会において学会発表を行うことを予定している。
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