2019 Fiscal Year Research-status Report
Molecular Characterization of Short-chain Fatty Acid receptor GPR41 and GPR43 in cat
Project/Area Number |
19K06409
|
Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
山本 一郎 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (00424763)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | GPR41 / GPR43 / FFAR3 / FFAR2 / ネコ / 短鎖脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
小腸から全RNA抽出、続いてポリA RNA精製を行った。精製したポリA RNAを鋳型、Oligo(dT)をプライマーとした逆転写反応によりcDNA合成を行った。cDNA合成後、ネコ遊離脂肪酸受容体(Gタンパク質共役型受容体GPR40、41、43、120)のうちGPR41およびGPR43をそれぞれPCR法により増幅しpcDNA3.2/V5/GW/D-TOPOベクターにクローニング、強発現ベクターを作成した。これらベクターをそれぞれCHO-K1細胞株にリポフェクション法によりpGloSensor-22FcAMPベクターと共に導入した。培養後、6% GloSensor cAMP reagentを含むHBSSに交換し室温にて2時間静置した。静置後GloMax Discover systemルミノメーターにて発光を測定し短鎖脂肪酸を添加し測定、続いてForskolinを最終濃度10マイクロモルとなるよう添加したところ、酪酸がGPR43発現細胞でのcAMP上昇を抑制できなかった他は全て抑制効果を確認したことからGPR41およびGPR43共に機能的な短鎖脂肪酸受容体であることが明らかとなった。 GPR41およびGPR43の生細胞での2量体形成およびアレスチン結合実験を行うためRT-PCR法により各GPR領域を増幅し、InFusion法によりNanoBiT発現ベクター(pFC34K LgBiT TK-neo Flexi)に導入した。DNAシーケンスにより塩基配列を確認後、培養細胞(HEK293他)に一過性発現させるための大量培養を行った。またNanoBRET発現ベクターは上記発現ベクターの替わりにpFN31K Nluc CMV-neo Flexiを用い、同様にDNAシーケンスと大量培養を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では動物病院と連携してネコの糞便中の短鎖脂肪酸量を測定するために糞便を採取する予定であったが、採取法の検討が重要であることが判明したため、再度採取法を含め検討している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は短鎖および長鎖脂肪酸をリガンドとした各消化管脂肪酸センサーのホモ・ヘテロ2量体形成測定(NanoBiT法)、ネコ糞便中の脂肪酸分析および細菌叢解析を行う。 ①NanoBiT法による各消化管脂肪酸センサーのホモ・ヘテロ2量体測定、およびNanoBRET法による脂肪酸と消化管脂肪酸センサーの近接度測定 作成したNanoBiT―GPR発現ベクターを培養細胞(HEK293他)に導入、一過性に強制発現させる。白色96ウェルプレートで培養を行う。血清添加の有無、短鎖・長鎖脂肪酸濃度、被曝時間などを検討する。各消化管脂肪酸センサーがそれぞれホモ・ヘテロ2量体で機能するのかを明らかにする。またNanoLucルシフェラーゼが融合した各消化管脂肪酸センサーを培養細胞(HEK293他)に導入、一過性に強制発現させる。同プレートに蛍光標識した各脂肪酸を添加して、リガンドと消化管脂肪酸センサーとの近接度をNanoBRET法により測定する。各脂肪酸の蛍光標識は申請者が行うが、困難な場合はプロメガ社の標識サービスに委託する。 ②ネコ糞便中の脂肪酸分析と細菌叢解析 凍結保存していたネコ糞便検体中の短鎖脂肪酸分析を行う。糞便検体はよく混合した後、(株)テクノスルガ・ラボ所有GC-FIDにて分析する。この他、次世代シーケンスによる細菌叢解析は株式会社アニコムの腸内フローラ測定キットにより分析を行う。ネコの年齢、飼料組成および量、性別、体重、ボディコンディションスコアー(BCS)、糞便中の短鎖脂肪酸と細菌叢の相関を多変量解析する。
|
Causes of Carryover |
発現ベクター構築およびシーケンスに予想よりも費用が掛からなかったこと、糞便採取計画を再度検討すべきと判断したため当該年度中に予算を使うことができなかったため。
|