2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K06422
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中村 健介 宮崎大学, キャリアマネジメント推進機構, 准教授 (80625898)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺塞栓 / 肺高血圧 / 右心 / 心エコー / ウサギ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では犬を用いて人工的に肺塞栓を起こし、それに伴う血行動態の変化を心エコー図検査による右心機能指標の評価、さらには振盪生理食塩液を用いた contrast echoによる肺内短絡血管の有無を評価する予定であったが、所属機関における実験動物施設の制限等に伴い、使用動物をウサギに変更せざるを得なかった。犬についてはこれまで多くの経験を有するが、ウサギに関しては正常値の確立からはじめる必要があり、本年度はまず正常なウサギを用いて肺塞栓症に関連する心エコー図検査による右心機能指標の基準値計測を行うとともに、bubble contrast echoを行い正常なウサギにおける肺内短絡血管の有無を評価した。その結果、ウサギにおいても右心機能指標が再現性高く評価可能であること、正常なウサギでは肺内短絡血管が存在しないことが明らかとなった。 続いて、ウサギの頸静脈に血栓を形成し、これにより心エコー図検査による右心機能指標が変動、さらには肺内短絡血管の疎通の有無を評価した。その結果、頸静脈での血栓形成に伴い右心機能指標がわずかに変動することが明らかとなった。一方、bubble contrast echoの結果、肺内短絡血管の疎通は認められなかった。肺塞栓を誘発していないのにも関わらず右心機能指標に変動が生じた理由については今後病理学的検査により原因を追及する予定であるが、微細な血栓の塞栓、あるいは血栓から何らかの血管作動性物質が産生されている可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は犬を使用することを予定していたが施設の制限によりウサギを使用せざるを得なくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は肺塞栓をウサギに生じさせ、心エコー図検査による右心機能指標の変動ならびに肺内短絡血管の疎通の有無を評価すると共に、心カテーテル検査による肺動脈圧との対比を行う予定である。
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Causes of Carryover |
使用動物の変更ならびに、年度末に予定していた出張がコロナウイルスの影響により全てキャンセルされたため。
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