2019 Fiscal Year Research-status Report
牛白血病ウイルス感染阻害作用をもつ化合物を利用した新規ウイルス複製機構の解明
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19K06450
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐藤 洋隆 国立研究開発法人理化学研究所, 科技ハブ産連本部, 研究員 (00708539)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 牛白血病ウイルス / 薬剤スクリーニング / ウイルス感染阻害剤 / LuSIA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、29-30年度科研費若手(B)研究課題のスクリーニングによって独自に同定した牛白血病ウイルス(BLV)の複製阻害能を有する構造の異なる5種のシード化合物(化合物A~E)について、作用点およびその作用機序を明らかにすることによって、BLV感染に寄与する新規因子を同定することを目的としている。得られているシード化合物は理研NPdepo 25,000化合物を構造的に400のグループに分類し、それぞれの代表的構造をもつ化合物400個を収載したパイロットライブラリーからスクリーニングされた化合物であり、標的分子を特定するためには結合の強い化合物に最適化を行う必要がある。 そのため本年度は、NPdepoが収蔵するシード化合物の類縁体についてBLV感染性蛍光定量法(LuSIA)を用いたスクリーニングを実施した。化合物A~Eの類縁体はそれぞれ200、22、5、24、20化合物が収蔵されており、NPdepoよりこれら化合物の提供を受け、合計275化合物のスクリーニングを行った。その結果、化合物A、B、Cそれぞれの低毒性の高活性化合物を得ることに成功した。一方で、化合物D、Eについては細胞毒性の高い類縁体が多く、展開不適な構造であることが予測されたことから、これらについては試験を中止することとした。低毒性かつ高活性な化合物が同定されたことにより、次年度の作用点の特定ならびに標的タンパク質の同定に順調に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2化合物については細胞毒性が高い化合物が多く、構造的に展開不適であったことから試験を終了したが、3化合物については高活性化合物の同定に成功しており、当初計画どおり順調に進行している。脱落した2化合物についてはインシリコ解析等により低毒性の候補化合物が得られないか検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は当初計画通りに進行しているため、現時点では次年度計画に大きな変更はなく、作用点の特定ならびに標的分子の同定を進めていく予定である。次年度より代表研究者の所属機関が変更となるため、移転を迅速に進めるなど研究に遅延がないように進める予定である。
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Causes of Carryover |
5つの化合物のうち2つについては現時点で高活性化合物の購入を行わなかったため。次年度in silicoスクリーニングを行い高活性化合物の取得を目指す予定。
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Research Products
(3 results)